『サードプレイス』という言葉なんですが、「ファーストプレイス」としての家庭や、「セカンドプレイス」としての職場や学校だけでなく、だれでも気軽に入る事ができ、心理的にも開放された場を指します(米国の社会学者R.オルデン氏が提唱している概念)。上図赤線の「自分の居場所がない」に関しての回答は、居住年数に関係なく低い状態です。さらに、「自分の居場所がない」と回答した人たちのデータを下図に示します。比率を性・年代別に示されています。

男女ともに年齢が若いほど「居場所がない」と回答する割合が高くなっています。そこは、一日の大半を職場や学校で過ごし、人間関係もその中で完結しているため、それ以外の地域との関りを持つきっかけや時間の不足が「自分の居場所感」を持てない要因でしょう。そこは地域の環境的な部分、自らの積極的に地域と交わる意欲などにより改善されるのでは?と、思っています。

では、ウェルビーイングと地域への愛着について、少し考えたいと思います。下図は幸福度得点(現在の生活に対する総合満足度を10点満点で評価したもの、、例えば、全く満足していないが0点、非常に満足しているが10点)高位、中位、低位の方が住まれている地域への愛着の項目との関連を示したものです。

結局のところ、自分が住んでいる地域において息抜きや生活の充実を見出し「良い街だ!」と感じるようになり、もっと深く知りたくなってくるのではないでしょうか?ただ、ここにおいても「自分の居場所がない」の部分では3区分、全てにおいて低い比率になっています。だからと言って各々の生活に影響するものでは無くて、、だからこそ、低い比率にとどまっているのでしょう。

しかしながら、いかに「居場所」的なハブスぺ-スの必要性が求められているかが分かります。その事はウェルビーイング向上にも効果があると思いますし、そうであるならば、産業も含めた展開がこの領域では求められていると感じています。ウェルビーイング向上の観点からの『場』のアプローチですね。(参考・引用 第一生命経済研究所『ウェルビーイングを実現するライフデザイン』)