”三人寄れば 文殊の知恵”とは「みんなのアイデアを集めれば良い方法が見つかる」そんな意味の古くからある知恵ですね。関連しまして、アイデアを生みだすためのプロセス『ブレーンストーミング』があります。少し、説明しますと・・

通常、グループで行われることが多いですが、個人でもできます(アイデアの自由な発想と整理を組み合わせる)。基本的なアイデアは、「批判をせずに、できるだけ多くのアイデアを出す」という考え方に基づいています。

まず、特定の課題やテーマに焦点を当てます。その後、メンバーは自由にアイデアを出し合い、どんどんアイデアを増やしていきます。このとき、どんな小さなアイデアでも構いません。アイデアが出たら、他のメンバーがそれに関連するアイデアを追加したり、組み合わせて新しいアイデアを生み出したりします。

ブレーンストーミングでは、批判や評価は避け、アイデアの数を最大化することが重要です。その後、出たアイデアを整理して評価し、具体的なプランに結びつけることができます。
これによって、創造性を高め、新しい視点や解決策を見つけることができますが、往々にして、”3人寄れば文殊の知恵”的に、必ずしも良い結果になる統計があります。ですので、最近は使用されるケースは減ってきているとのデータがあります。

その理由は・・

●社交的プレッシャー
ブレーンストーミングセッションでは、参加者がアイデアを出し合うことが奨励されますが、一部の人は集団の前でアイデアを提案することに抵抗を感じることがあります。これにより、アイデアの品質や多様性が制限される可能性があります。

●グループシンキング
ブレーンストーミングのセッションでは、グループ内のコミュニケーションの中で特定のアイデアが強調され、他のアイデアが抑制されることがあります。これは「グループシンキング」として知られ、新しい視点やアプローチを阻害する可能性があります。

●アイデアの発展不足
ブレーンストーミングは、アイデアの収集に重点を置くため、アイデアの発展や詳細な議論には向いていません。アイデアの提案後、そのアイデアを詳細に検討するプロセスが不足している場合、実現可能性や実行可能性の欠如が問題となります。

●負の評価と批判
ブレーンストーミングセッションでは、アイデアの提案を受け入れる文化が奨励されるべきですが、一部の環境では負の評価や批判的な反応が支配的であり、参加者がアイデアを提供しにくい状況が生まれます。

●適切なフレームワークの不足
ブレーンストーミングを成功させるには、適切なガイドラインやフレームワークが必要です。これらの要素が不足している場合、ブレーンストーミングセッションは効果的に機能しない可能性があります。

ブレーンストーミングは依然として多くの場面で価値がありますが、その効果を最大限に引き出すためには、上記の問題を克服するための方法や修正が必要と考えます。そのため、新しいアプローチやツールが開発され、ブレーンストーミングを補完または進化させることが行われています。で、私が最も現代にマッチした方法として『ダイアローグ』を紹介したいと思います。


ダイアローグディスカッション(Dialogue Discussion)は、対話的な形式で行われる議論や討論のプロセスを指します。通常、この種のディスカッションでは、参加者が特定のトピックや問題について意見を交換し、意見を述べ合い、相手の意見を尊重しながら議論を進めます。ダイアローグディスカッションの主な特徴は以下の通りです:

■対話的なアプローチ
ダイアローグディスカッションは、参加者間での対話を強調します。参加者は会話を通じて情報を共有し、意見を交換し、相手の視点を理解しようと努力します。

■共感と尊重
参加者は異なる意見や視点を尊重し、共感しようと努力します。対話の中で、感情的な反応や攻撃的な態度を避け、建設的なコミュニケーションを重視します。

■問題解決
ダイアローグディスカッションは、問題解決を目指す場面でよく利用されます。異なる意見を統合し、共通の理解や解決策を見つけることを目指します。

■モデレーション
ディスカッションを進行するために、モデレーターがしばしば必要です。モデレーターは会話を誘導し、ルールを遵守させる役割を果たします。(不必要なケースもあります)

■参加者の多様性
ダイアローグディスカッションには、異なるバックグラウンド、意見、経験を持つ参加者が含まれることが一般的です。この多様性は、より豊かな議論と洞察を生み出すのに役立ちます。

■時間をかけたプロセス
より深い理解と合意形成を目指すため、ダイアローグディスカッションは通常、時間をかけて行われます。複数のセッションにわたることもあります。

ダイアローグディスカッションは、教育機関、コミュニティ、ビジネス環境などでさまざまなコンテキストで活用され、意思決定や問題解決プロセスを向上させるのに役立ちます。図で見ると良く分かります。


ケースバイケースで両手法を使い分け、ベストな結果を導き出す事も今後は求められていると思います。