●筆記療法とは?
筆記療法とはノートとペン、又はパソコンを使って、そのときに浮かんでくる様々な考えや心の中にある感情を、言葉にして書き出していく療法です。思いや気持ちを言葉にすることで、心の中に溜まり続けてきた感情やストレスが解放されていく効果があります。
筆記療法はカウンセリングなどで悩みや苦しい気持ちを話すことで気持ちが軽くなるという点が共通しています。うつ病に陥る原因のひとつには、ストレスを抱え込み我慢しつづけたことが挙げられます。ストレスを受け入れる許容量の限界を超えてしまい、日常生活が送れなくなるほど心身に支障をきたしてしまいます。うつ病に陥ったときは心の中に溜まり切った様々な思いを、話すことや書くことで、思いや感情を「言語化」して吐き出すことがポイントです。筆記療法は特に、話すことが苦手な人に向いている療法と言えます。
●筆記療法のメリット
筆記療法のメリットは「ひとりでも実行できる」ことです。たとえ誰にも相談できる人がいなくても、紙とペンさえ用意できればひとりでもすぐに取り組むことが可能です。 もうひとつのメリットは、「本当の気持ちを吐き出せる」ことです。カウンセリングの先生や、大切な人にさえも出すことをためらってしまうような思いや感情が湧いてくることがときにはあります。それを紙に書き出すことで、「自分は本当はこんなことを感じ考えていたのか」と、初めて自身の本音に気づかされることがあります。ネガティブな考えであれ、言葉にして書き出すことは、自分自身とそれらの思いや考えとに距離ができて、客観的に見つめることができるようになるのです。
筆記療法(ひっきりょうほう)は、心理療法の一形態であり、個人の感情や思考、経験を文章に書き出すことに焦点を当てたアプローチです。この方法は、感情の処理、問題解決、ストレス軽減、自己理解、創造性の促進など、さまざまな心理的な側面に対処するのに役立つことがあります。以下に、あらためて、筆記療法の主要な要点と利点について説明します。
1,自己表現とリフレクション
筆記療法は、個人が自分自身の思考や感情を書き出し、それらを客観的に見つめ直す機会を提供します。文章にすることで、感情や考えが整理され、深く理解されることがあります。
2,ストレス軽減
感情を書き出すことは、感情の発散やリリースに役立ち、ストレスを軽減するのに効果的であるとされています。特に、トラウマや困難な出来事に対処する際に、筆記療法は助けになることがあります。
3,問題解決
問題や課題に対する新しい視点を見つけたり、アイデアを発展させたりするために筆記療法を使用できます。アイデアや解決策を紙に書き出すことで、創造的な思考が促進されることがあります。
4,自己理解
自己探求と内省に役立つ手法として筆記療法は有用です。自己認識を高め、自己アイデンティティや価値観について考える手助けをします。
5,コミュニケーション
筆記療法を使用することで、他の人とのコミュニケーションスキルを向上させることができます。感情や思考を文章にまとめる練習は、他の人との対話やコミュニケーションにおいても役立つことがあります。
筆記療法は個人のニーズや目標に合わせてさまざまな方法で行うことができます。日記、感情の日記、ジャーナリング、手紙の書き方、詩の創作など、さまざまな形式があります。また、専門の心理療法家による指導のもとで行うこともあります。筆記療法を実践することで、感情的な健康や心理的なウェルビーイングを向上させるのに役立つことにもなると思います。