若さを保つ秘訣と聞くと、多くの方は運動習慣や栄養バランス、美容への気配りなどを思い浮かべるのではないでしょうか。もちろんそれらは大切ですし、身体の健康を支えるうえで欠かすことはできません。しかし、私が長年人と向き合い、社会活動を通して多様な人生にふれてきたなかで強く実感している「若さの源」は、実はもっと心の奥深くにあるものです。それは――恋をすることです。但し、あなた、若さが保てているの?とか、いやいや、ただのおっさんやないの、とか、他人の評価は無視して、あくまでも自己判断で「保てている!」そのようにさせてください。まぁ、結局は、勝手に書いていると思って、よろしければお読みくださいw。

さて、恋と聞くと「もうそんな年齢ではない」「今さらときめくようなことなんて」と思われる方もいるかもしれません。しかし私は、恋というのは年齢や立場に左右されるものではなく、人生を前向きに生きるためのエネルギーそのものであり、誰もがいつからでも再び感じることができる“再生力”だと考えています。それは必ずしも特定の相手に対する恋愛感情ではなく、何かに心が惹かれ、動かされる感覚――人、音楽、風景、言葉、生き方――そうしたあらゆる“ときめき”を含んでいます。

 つまり恋とは、広い意味で「心が動くこと」なのです。

 心が動くと、私たちの内側では静かに、しかし確実に変化が起きます。視界が少し明るくなり、行動が前向きになり、会話のテンポが軽やかになります。脳は新しい刺激に対して活性化され、もっと知りたい、もっと近づきたいという意欲が生まれます。その結果、姿勢が変わり、声の張りが変わり、表情が生き生きとしてきます。こうした変化は、医学的に見ても若さを保つために欠かせない働きと言われています。

 では、なぜ恋はそこまで人を若々しくするのでしょうか。

 ひとつには、恋が私たちに「自分を大切にしよう」と思わせてくれるからです。恋をしていると、自然と身だしなみに気を配ったり、健康に気をつかうようになったりします。「好きな人に良い姿を見せたい」という思いは、実はとても健全で、人生を前向きにしてくれる力を持っています。恋は他者に向けた感情でありながら、同時に自分自身を磨く方向へと促してくれるのです。

 また、恋は「未来」を意識させます。今日が少しだけ輝き、明日が少しだけ楽しみになる。それは若々しい心の最大の特徴です。若さとは単なる見た目の問題ではなく、未来への期待を持てる心の状態そのものなのだと、私は多くの人との交流を通して感じてきました。

 そして何より、恋が人を若くする理由は、心の柔らかさを取り戻してくれる点にあります。大人になるにつれて私たちはさまざまな経験を積み重ね、気づかぬうちに心に固さが生まれます。失敗したくない、傷つきたくない、恥をかきたくない――そうした防御反応は自然なことですが、その代わりに心の動きは徐々に鈍くなり、挑戦する気持ちも薄れていきます。

 しかし恋は、こうした“心の殻”を軽く溶かしてくれます。どんなに理屈を積み上げても、恋の前では心は簡単に揺れ動きます。戸惑いながらも、「もう一歩だけ前に進んでみようか」と思わせてくれる。これこそが、若さの本質だと私は思うのです。

 もちろん、恋をすることには不安も伴います。相手の気持ちが分からなかったり、思いどおりにいかなかったり、時には傷つくこともあるでしょう。しかし、それでも恋をする価値があるのは、恋が「生きている実感」を私たちにもたらしてくれるからです。たとえ叶わなくても、心が動いたという事実は、私たちの人生に確かな意味を残します。

 では、若さを保つために必要な恋とは、どのような形なのでしょうか。

 私は、それは「自分の心が確かに動いたと感じる瞬間」を大切にすることだと思っています。特定の相手である必要はありません。音楽に恋することもあります。言葉に恋することもあります。誰かの生き様や姿勢に心を奪われることもあります。あるいは、自分自身の内にある可能性に恋をすることもあるでしょう。

 大切なのは、心のセンサーを常に開いておくことです。忙しさや習慣に埋もれてしまうと、目の前にどれほど美しいものがあっても気づけません。だからこそ、日々の生活のなかで「ときめきを感じる余白」をつくることが重要なのです。

 散歩の途中で花の色に目をとめる。お気に入りの音楽に耳を澄ませる。何気ない言葉に胸を打たれる。誰かの笑顔にふと心が温かくなる。そんな小さなときめきの積み重ねが、心を若々しく保ち、人生に彩りを取り戻してくれます。ヒューマンウォッチングもそうです。

 もし「最近心が動いていないな」と感じている方がいたら、それは決して悪いことではありません。ただ、少しだけ勇気を出して、自分の世界を広げてみてほしいのです。新しい人と会う、新しい場所へ行く、新しい挑戦をする――それらはすべて、心を恋の方向へ向けるための行動です。

 最後に。若さとは、歳を重ねることによって失われるものではなく、心の持ち方によって変わるものだと私は考えています。恋をする気持ちを忘れない限り、人は何歳になっても若さを保つことができます。たとえ恋の相手が人でなくても、人生そのものに恋をしていれば、私たちの生き方はいつまでも自由で、鮮やかで、しなやかでいられるのだと思います。

 どうか皆さまも、日常のどこかに潜んでいる“小さな恋”を大切にしてみてください。そのときめきが、人生に新しい風を吹き込み、心に若さを取り戻す大きなきっかけになるはずです。昔、「小さな恋のメロディ」そんな映画がありました。ご存じの方も多いかと思いますが、たまには思い出しながら生活するの良いのかもしれませんねw。