
― パーパス理念という考え方 ―
■なんとなく感じている「違和感」
最近、こんなふうに感じたことはないでしょうか。
「この会社、いいこと言ってるけど…本当かな?」
「社会貢献って言ってるけど、どこか“やってる感”があるな」
ニュースや企業の発信を見ていて、どこか引っかかる。
はっきり言葉にはできないけれど、なんとなく信用しきれない。
実は私自身、患者団体の活動を通じて、同じような違和感を何度も感じてきました。
企業と連携する中で、
「これは本当に患者のためなのか?」
そう思ってしまう場面があったのです。

■きれいな言葉が増えた時代
今、「ESG」や「SDGs」といった言葉をよく耳にします。
環境に配慮する、社会に貢献する、持続可能な未来を目指す。
どれも、とても大切な考え方です。
ただ一方で、こうも思うのです。
「この言葉、本当に中身があるのだろうか?」
流行しているから掲げているだけ。
評価されるから取り組んでいるだけ。
そんな空気を感じることも、正直あります。
■問題は“やっていること”ではなく“なぜやるのか”
ここで大事なのは、「何をしているか」ではありません。
本当に問われているのは、
「なぜそれをやっているのか」です。
例えば、社会貢献活動。
・誰かの役に立ちたいからやっているのか
・企業のイメージを良くするためにやっているのか
同じ行動でも、「理由」が違えば意味はまったく変わります。
そして人は、その違いを思っている以上に敏感に感じ取ります。

■「パーパス理念」という考え方
そこで私は、「パーパス理念」という言葉を考えました。
少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、意味はシンプルです。
「その人や会社は、何のために存在しているのか」
これをはっきりさせる考え方です。
会社であれば、
・なぜこの事業をやっているのか
・誰のために存在しているのか
・どんな価値を社会に届けたいのか
それを“言葉だけでなく行動で示すこと”
それがパーパス理念だと考えています。

■形だけでは、すぐに見抜かれる
今の時代、形だけ整えることは簡単です。
・それらしい部署を作る
・立派なスローガンを掲げる
・活動を発信する
でも、それだけでは長く続きません。
なぜなら、人は「本気かどうか」を感じ取るからです。
現場の行動が伴っていなければ、
どんなにきれいな言葉も、すぐに薄っぺらく見えてしまいます。

■製薬企業で感じたこと
特に強く感じたのは、製薬企業との関わりの中でした。
本来、医療や薬は「人の命」に関わるものです。
だからこそ、「患者のために」という強い想いがあるはずです。
しかし現実には、
・患者団体との連携がPRに見えてしまう
・活動が形だけに感じられる
そうした場面に出会うこともありました。
もちろん、すべての企業がそうではありません。
真剣に取り組んでいる企業もたくさんあります。
ただ、「本気」と「建前」の差は、やはり存在していると感じています。

■私たちの取り組み
そんな中で、私たちは一つの考え方を大切にしています。
それは、
「共感から始まる関係をつくること」
です。
「社会に貢献できる事、やろうよ!プロジェクト(仮称)」も、
その想いから始まりました。
無理に理解してもらおうとは思っていません。
でも、もし本当に共感していただけるなら、支援していただきたい。
この順番を大切にしています。

■これからの時代に必要なもの
これからの時代、企業に求められるのは
「何をしているか」以上に、「なぜそれをしているか」です。
そしてそれは、企業だけの話ではありません。
私たち一人ひとりにも、同じことが言えると思います。
・なぜこの仕事をしているのか
・なぜこの活動をしているのか
・自分は何を大切にしているのか

■最後に
「パーパス理念」という言葉は、まだ広く知られているわけではありません。
でも、この言葉が問いかけていることは、とてもシンプルです。
「あなたは、何のために存在していますか?」
この問いに、自分の言葉で答えられるかどうか。
そして、その答えが行動に表れているかどうか。
それこそが、これからの時代において
信頼やつながりを生み出す鍵になるのではないでしょうか。

