私たちは誰しも「幸せになりたい」と願いながら日々を過ごしています。しかし、それと同じくらい「大切な人に幸せでいてほしい」と願う気持ちを抱くことも多いのではないでしょうか。この思いは、単なる自己満足ではなく、人間の本質的な価値観の一つであり、社会全体の幸福度を高める鍵となります。ここでは、私自身が持つ「他人に幸せに過ごしてほしい」という願いを、利他性という概念とともに考えてみたいと思います。

幸せは共有できるもの

幸せは、個人だけが抱え込むものではなく、周囲と共有することでさらに深まるものと思っています。例えば、家族や友人が楽しそうにしている姿を見て、自分も自然と温かい気持ちになった経験はありませんか?これは「共感的幸福」とも呼ばれる現象で、他人の幸せが自分自身の幸せに繋がることを示しています。

また、社会全体の視点で見ても、人々の幸福度が高いコミュニティほど、安心感や信頼感が生まれやすく、結果として自分自身も暮らしやすくなります。つまり、他者の幸福を願い、それを実現する行動を取ることは、長い目で見れば自分にとっても大きな恩恵をもたらすのです。

利他性と社会の返報性

利他性とは、他者の利益や幸福を考え、見返りを求めずに行動する心のあり方を指します。しかし、これは決して自己犠牲を意味するものではありません。むしろ、利他的な行動を通じて自分自身も精神的な満足感や充実感を得ることができます。

さらに、社会には「返報性」という仕組みが存在します。人は親切にされると、その恩を返そうとする心理が働きます。これは単なるお礼の概念にとどまらず、人々が互いに支え合いながら生きるための基盤とも言えるでしょう。例えば、誰かのために善意の行動を取れば、その行為が他の人へ波及し、やがて自分にも良い影響が返ってくることがあります。

実際、心理学や神経科学の研究でも、他者のために行動することが自身の幸福度を向上させることが示されています。例えば、誰かを助けたり、親切な行いをしたりすると、脳内で「オキシトシン」や「セロトニン」といったホルモンが分泌され、ストレスの軽減や幸福感の向上に寄与すると言われています。

また、利他性を持つことで、人との繋がりが深まり、信頼関係が築かれます。人は孤独な状態では幸福を感じにくいものですが、誰かと繋がっているという実感があると、それだけで心が満たされます。その意味でも、利他性を持ち、他者の幸せを願うことは、最終的に自分自身の幸福にも繋がるのです。

私自身の願い

私は、他人に対して「幸せに過ごしてほしい」という願いを強く持っています。と申しますか、持つようになったが正確ですね。人は様々な経験の積み重ねで生き方が変わったりします。まさしく私もその通りです。それは、単なる思いやりや優しさだけではなく、人間同士が支え合うことでこそ、真の幸福が生まれると思うようになったからです。この様な事を書きますと、新興宗教のように思われるかもしれませんが笑、ご安心ください、全くその様な類では御座いません。難病の情報発信をスタートさせて22年、患者会主催、活動は13年になりますが、その中で経験した本当に様々な出来事や、それ以前約20年の企業経営者時代に体験した事などの、総合的な想いの集約が、現在と思っていただいて結構です。

具体的には、私は日々の活動を通じて、人々が自分らしく生きられる環境を作ることを目指しています。例えば、孤立しがちな人々が気軽に集まり、対話を通じて互いの存在を認め合える場所を作ること。あるいは、医療の場面で、患者と医師がより良いコミュニケーションを取れるような仕組みを考えること。当ネットワークが商標を取得した「ライフ・トレーシング・マップ®」はその一部です。それらはすべて、「誰もが安心して、自分らしく生きられる社会」を実現するための一歩だと考えています。ただ、物事にはタイミングがあり、私が存命中に実現できるかは甚だ難しいかもしれませんが、ベストは尽くしたいと考えています。

また、幸せは一方通行ではなく、循環するものです(返報性の社会サイクル)。誰かを幸せにしようとする行動は、巡り巡ってまた別の誰かの幸せに繋がります。その連鎖が広がることで、社会全体がより温かく、より生きやすいものになるはずです。

さいごに

「他人に幸せになってほしい」と願うことは、決して特別なことではありません。それは私たちが本来持っている、人と共に生きるための本能とも言えるものです。しかし、日々の忙しさの中で、つい自分のことだけに目が向いてしまうこともあるでしょう。

そんなときこそ、一歩立ち止まり、「自分の行動が誰かの幸せに繋がっているか?」と問いかけてみることが大切です。小さな親切や思いやりのある言葉が、誰かの心を温めることもあります。そうした積み重ねが、やがて大きな幸せの流れを生み出すのではないでしょうか。

私はこれからも、利他性を大切にしながら、誰もが安心して「幸せだ」と感じられる社会の実現に向けて、できることを続けていきたいと思います。そして、その輪が少しずつ広がり、誰もが自分らしく生きられる世界になることを心から願っています。