当会が取り組んでいます、社会での『ウェルビーイング』実践において、それを阻害する要素から離れる一つの方法である、『リトリート』について考えます。

3要素の一つであります「社会とのつながり」「関係性」からアプローチするのが『リトリート』です。リトリート(retreat)は、人々が日常の喧騒やストレスから離れ、静寂や瞑想、自己探求などに集中するために、数日間いつもの生活拠点から離れ、外的干渉から距離を置き自分自身のリズムを取り戻す時間を作ることです。リトリートにはさまざまな形式や目的があります。一般的なリトリートの形式と目的をいくつか挙げます。

1,瞑想や精神的な成長のためのリトリート
 このタイプのリトリートは、参加者が静かな環境で瞑想や自己探求に集中することを目的としています。参加者は、日常の喧騒から離れ、内面に向き合い、精神的な成長
 や洞察を得る機会を提供されます。

2,健康やウェルネスのためのリトリート
  これらのリトリートは、ヨガ、フィットネス、食事、マインドフルネスなど、健康とウェルネスに焦点を当てた活動を通じて参加者にリフレッシュとリラックスをもたら
 すことを目的としています。

3,チームビルディングやリーダーシップ開発のためのリトリート
  企業や組織が従業員やメンバーのチームビルディング、リーダーシップスキルの向上、ストラテジックプランニングなどを行うために使用することがあります。これらの
 リトリートでは、グループアクティビティやワークショップが行われ、チームの結束力や協力関係が強化されることが期待されます。

4,アーティスティックなリトリート
 これらのリトリートは、芸術家やクリエイティブな人々が集まり、創造性を高め、新しいアイデアを発展させるための場として使用されます。絵画、音楽、文学、演劇な
 ど、さまざまな芸術形式が探求されることがあります。

リトリートは、参加者が日常の生活から離れ、新しい視点や経験を得ることができる貴重な機会です。そのため、個人的な成長や洞察を深めるだけでなく、集団や組織のコミュニケーションや協力関係を強化するのにも役立ちます。

リトリートにおける社会との関係性は、そのリトリートが個人の内面的な成長や洞察を促進するだけでなく、社会とのつながりや貢献にも焦点を当てる場合があります。以下は、リトリートにおける社会との関係性を促進する可能性のある行動のいくつかです。

コミュニティーサービスプロジェクト: リトリートの一部として、参加者が地域コミュニティーや地域の特定のニーズに対応するためのプロジェクトに参加することがあります。例えば、地元の高齢者施設や児童福祉施設を訪問し、ボランティア活動を行ったり、地域の公園や環境の清掃活動に参加したりすることが考えられます。

対話や共有の場の設置: リトリートでは、参加者が集まって自分の経験や洞察を共有し、他の参加者との対話を通じて相互理解を深める場を設けることが重要です。
社会的な関係性を促進するために、集団討論やグループセッション、ストーリーテリングなどの活動が行われることがあります。

持続可能性とエコロジーへの取り組み: リトリートが自然環境に位置している場合、参加者にはエコロジカルな行動や持続可能な生活に関する考え方を深める機会が提供されることがあります。リサイクルや廃棄物の削減、エネルギーの節約、地元の農産物の支援など、地球にやさしい取り組みが促進されるでしょう。

社会正義や包摂性のテーマの探求: リトリートでは、社会正義や多様性、包摂性などのテーマが探求されることがあり、参加者は、自分自身や他の人々の社会的なアイデンティティーや経験について学び、より公正で包摂的な社会を促進するためのアクションについて、考えることに結び付くでしょう。

これらの行動は、リトリートが個人の成長や洞察だけでなく、社会との関係性や貢献にも焦点を当てる場合に、社会的影響を促進するのに役立つ方法です。

では次に『社会の中のリトリートの方法は?』というテーマを考えてみます。社会の関係性を重視したリトリートには、参加者が他者とのつながりを深め、社会的な結びつきを促進するためのさまざまな方法があります。以下に、そのような方法のいくつかを示します。

1,グループアクティビティー
 参加者が集まってチームビルディングや共同作業を行うことで、相互の信頼や協力関係を構築します。これには、グループゲームやアウトドアアクティビティ、共同プロジ
 ェクトの実施などが含まれます。

2,パートナーシップ活動
  参加者を2人1組または小さなグループに分け、パートナーシップ活動を通じて相互の理解を深める機会になります。これには、対話や共有、信頼関係の構築を目的とし
 たペアワークやグループワークが含まれます。

3,対話と共有の場の設置
 参加者が自分の経験や考えを共有し、他の人々の視点や意見を聞くことができるような対話の場を設けることが重要です。これには、集団討論、ワークショップ、ストー
 リーテリングセッションなどが含まれます。

4,コミュニティーサービスプロジェクト
  地域のコミュニティーや地域のニーズに対応するためのプロジェクトに参加することで、参加者が社会的な貢献を行います。これには、ボランティア活動や地域サービス
 プロジェクトへの参加が含まれます。

5,共有価値や信念の探求
  参加者が共有する価値観や信念に焦点を当てることで、共通の結びつきを生み出すことができます。これには、グループでのディスカッションやリフレクション、価値観
 や信念に関する個人的な探求が含まれます。

これらの方法は、参加者が他者とのつながりを深め、社会的な関係性を促進するのに役立つリトリートの中で実践されることがあります。

以上、『一般的なリトリートの形式と目的』『リトリートにおける社会との関係性』『社会の中のリトリートの方法は?』について説明をしました。新人研修などで企業が用いるケースがありますが、個人的に一度、ご自分なりの『リトリートの形』を造ってみるのも面白いかもしれません。ビジネスアイテムとしても産業面で注目されているのではないでしょうか?既にあるのかもしれませんが、VRによるそれも効果があるでしょうね。