持続可能な個人相互の助け合いや、団体同士の連携が社会構造をも変える力を持つことは、コロナ禍以降、自明の事となりつつあります。そのような持続可能な『連携』『相互助け合い』が行われると、社会全体にポジティブな影響を与え、社会改革や変革を促進することにもなり、目標としても価値のある事と思っています。
とは言っても、基本に流れている文脈から考えますと、人間は自分の利益にならない人助け(援助、相互連携)はしないという、社会心理学的な見解もある事は事実です。
他方、人間の行動や価値観は非常に多様であり、一般的な考え方に固執することは難しく、行動や協力の基盤には自己利益だけでなく、他者の利益や共感の要素も含まれています。ややこしいですが笑、以下に、人々が自分の利益にならない人助けをする理由とその重要性についていくつかのポイントを書いてみます。当たり前の事ばかりですが、具体化するのも良いですよね。
1,社会的なつながり
人間は社会的な生物であり、他の人との良好な関係を築くことが重要です。他者に助けを提供することは、信頼と協力を促進し、社会的なつながりを強化します。これにより、他人が困っているときに支え合える社会が形成されます。
2,倫理と道徳
倫理的な価値観や道徳観念は、人々が他人を助ける動機に影響を与えます。多くの人が他者に善意を示し、他人を助けることが正しいことだと考えます。倫理的な観点から、自己利益だけでなく他者の幸福も重要とされています。
3,利他的な満足感
人々は他者に善意を示し、助けることで自己満足感を得ることがあります。他人を助けることで幸福感や喜びを感じ、これは自己利益の一部と考えることもできます。
4,社会的進化
社会進化の観点から見ると、協力と他者への助け合いは社会的に有益であるとされています。これにより、社会全体が安定し、成長する可能性が高まります。
自分の利益だけを追求することは一部の場面で必要かもしれませんが、他者への善意や協力も重要な社会的価値であり、多くの人が他人を助けることを肯定的に考えています。また、社会的な文脈や状況に応じて、自己利益と他者への助けをバランスさせることが求められます。というような事となるのでしょう。
では、そのような『教科書』的な観念は、継続的行動として可能なんでしょうか?継続という部分にフォーカスしてみると・・
●動機と満足感
人助けを行う個人が、その行為から満足感や喜びを感じる場合、彼らは続ける可能性が高まります。個人が自己満足感を感じ、その経験から喜びを得ることができれば、人助けの継続性が高まります。
●社会的なサポート
社会やコミュニティが人助けを支援し奨励する環境を提供することも重要です。人助けをする個人がサポートを受けられる場合、彼らは継続的に協力的な行動を取りやすくなります。
●報酬と認識
人助けをすることが、物理的な報酬や社会的な認識をもたらす場合、個人はその行動を続ける可能性が高まります。例えば、ボランティア活動を通じて報酬を得たり、感謝の言葉や賞賛を受けたりすることが継続的なモチベーションとなります。
●個人の能力と資源
人助けを行うために必要な能力や資源が個人に利用可能である場合、その行動が継続しやすくなります。資源の制約や能力の不足が人助けの障害になる可能性があります。
●変化する状況
状況や環境が変わることが、人助けの継続性に影響を与えます。個人が新しい状況に適応するために人助けの方法を変えたり、新たなニーズに対応したりすることが必要かもしれません。
人助けの継続性は、個人の動機や環境、社会的な文脈によって異なります。一部の人は一生涯にわたって人助けを続ける一方で、他の人は特定の段階や期間において人助けに取り組むことがあるかもしれません。しかし、社会全体として協力と善意を奨励し、サポートすることが、人助けの継続性を高めるのに役立ちます。人助けと書いていますが、少しベタな言葉とは思いますが、当ネットワークが掲げています『連携』『助け合いの場造り』の起源的なワードです。
では、その人を助けることが、自分にも何かしらの利益を受けることが可能なスタイルこそ、継続する援助の形とも考えられますが、、例えば、それが自尊感情でも良いと思いますし、物的利益でも良いし、さて、そこのところはどうなんでしょうか?考えてみますと、
■人助けが自分に何らかの利益をもたらるすことが、人助けの継続に対する一つの動機として理解されていると思っています。自己満足感、自尊心の向上、感謝や報酬を受けることなど、個人に何らかの利益をもたらすことは、多くの場合、人助けを行う人のモチベーションの一部となるでしょう。これは一般的に受け入れられている考え方であり、特にボランティア活動や社会奉仕などの分野で広く認識されている事です。
■自己利益が結びつくことで、人助けの継続性が高まることは、現実的で理解しやすい側面もあります。自己利益を追求しつつ、他人を助けることは、社会的な協力を促進し、個人と社会の両方に利益をもたらすことになるでしょう。
ただし、重要なのは、人助けが自己利益に結びつくことがあっても、それが相手に対する本当の善意や誠実な支援から生じることが大切です。善意が不純な動機に貶められたり、相手に失礼になるような形で提供されたりしないように注意が必要です。個人が自己利益と他者への援助をバランスさせ、倫理的な枠組みに従って行動することが求められます。
一般的に、人助けが自尊感情や物的利益を含む自己利益と結びつくことは、社会的な協力を促進し、持続可能な援助の形態として受け入れられています。
持続可能な人助けが社会構造を変える力を持つことは事実ですし、持続可能な援助が行われると、社会全体にポジティブな影響を与え、社会的な変化をもたらす可能性も膨らみます。そのため、人助けを通じて社会改革や変革を促進し、持続可能な社会的変化を実現することは重要で価値のある目標と思います。
具体的な例をあげますと・・
●パートナーシップの構築
援助を提供する側と受ける側が協力し、持続可能なプロジェクトやプログラムを共同で立案および実行することが重要です。
●ニーズの優先順位付け
援助を提供する前に、対象となるコミュニティや個人のニーズを優先順位付けし、最も重要な課題に集中することが効果的です。
●効果測定
援助の効果を測定し、成果を評価するためのメトリクスや評価基準を設定することは、持続可能性を確保するのに役立ちます。
●持続可能なリーダーシップ
援助のプロジェクトやプログラムの持続可能性を確保するために、現地のリーダーシップやコミュニティの参加を奨励することが重要です。
●イノベーションと変化
社会のニーズや状況が変わるにつれて、援助の方法を調整し、新しいアプローチを模索することが求められます。
計画的で綿密なアプローチを採用し、持続可能な変化を実現するために行動することは非常に有益な事と思います。持続可能な人助けを通じて社会構造を改善し、ポジティブな社会変化をもたらすことは、多くの人々にとって価値のある使命であり、それを実践する事を現代社会は求めていると感じております。
と考えてきましたが、社会構造としてWIN-WINの関係が循環する事によって、様々な化学反応も起こる可能性もあり、大阪言葉で申しますと「ぬくぬく一歩」(ヌクヌクイッポ)的な、つまり、同一のレベルの人が手を繫ぐと一歩前に進める!となるでしょう。その利点を書きます。
■協力と共有
WIN-WINアプローチは、異なる利益関係者が協力し、リソース、知識、スキルを共有することを奨励します。これにより、各当事者が共通の目標を達成するのに役立ちます。
■持続可能なソリューション
WIN-WINのアプローチは、持続可能なソリューションを見つけるための努力を助けます。双方が利益を持っている場合、ソリューションはより持続可能で長期的なものとなりやすいです。
■ポジティブな社会的変化
WIN-WINのアプローチを採用することにより、社会的な問題に対処し、持続可能な社会的変化を実現できます。双方が得をすることで、より多くの人々がその変化の恩恵を受けることができます。
■フェアネスと誠実性
WIN-WINアプローチは、フェアな関係と誠実なコミュニケーションを重視します。各当事者が公平に扱われ、信頼関係が築かれることが重要ですので、『それを乱す人』は当然ながら居心地が悪く、淘汰されます。
一般的には、WIN-WINのアプローチは、個人、コミュニティ、組織、国際的な関係など、さまざまなコンテクストで成功を収めています。これは、相互協力と共通の利益を最大化することを重視し、持続可能な関係を築く手法として評価されています。社会的な変革に向けた取り組みや人助けの場面で、WIN-WINのアプローチを追求することは、ポジティブな結果をもたらす可能性が高いでしょう。その様に思います。