広義的には『社会的交換理論』が基本になると思っています。この理論は、個人が他者との関係を検討し、その関係において利益と費用をどのように評価し、バランスを取ろうとするという考えに基づいています。少し、生々しい文言になっていますが、ストレートに説明しますと・・

①利益と費用
個人は、他者との関係において、得ることができる利益や報酬と、支払わなければならない費用や犠牲を評価します。これらの要素は主観的であり、人によって異なります。

②利益と費用の比較
個人は、異なる関係や選択肢の間で利益と費用を比較し、どの関係が最も魅力的であるかを評価します。これにより、人々は関係を選択し、維持するかどうかを決定します。

③簡約
社会的交換理論において、人々は簡約を追求し、自分自身にとって最も有利な結果を得るよう努力するとされています。つまり、利益を最大化し、費用を最小限に抑えることを目指します。

『社会的交換理論』は、人々の関係や行動を理解し、予測するための有用な枠組みを提供します。この理論は友情、恋愛、結婚、ビジネス関係など、さまざまな種類の人間関係を説明するためにも使用されています。

つまり、こちら側にとって、よりプラスになる事を考え、相手にプラスになる事は、最小限に抑えれる付き合いを選択したり、付き合った後も、その部分を重視したりするわけです。考えると、社会の全体構造としてはそれが基本になっているのかもしれません。経済活動ならば『商取引のせめぎ合い』になるのでしょうが、それは至極、普通の事と思います。

ここで、社会的に交換されるものとは、どういうものかを整理しますと、地位・愛情(個人間)・サービス・情報・金銭・商品などがあります。では、論点を絞りますと、非営利団体が様々な組織、個人と付き合う場合はどうなんでしょうか?勿論、この理論が適用されると思っておりまして、一方的な協力関係の継続は難しいと考えますし、ましてや、それの要請は社会構造の変化もあいまって、認識の変革が必要である事は自明の事と思います。

例えば、何らかの目的の為の寄付要請にしても、それが実行されれば、相手側への見返りを考えた上での行為でなければならないのは当然でありますし、相手側に対しては感謝の意を伝えるのと同時に、その目的の経過も伝えなければいけません。それが社会のルールであります。「与えてもらってあたりまえ」的な発想は時代錯誤であり、継続を無視した行為でしかありません。そこには、集団的浅慮の現象が働いているのです。

『社会的交換理論』に基づいた関係による、お互いの利益になる関係こそが、持続継続型になり得るのであって、その形態は双方の暗黙の了解を含めた『合意』の基、様々ではあると思いますが、根本的なWIN・WINの関係の必要性を理解し、実践を目指す事が、今後の患者団体・組織の在り方として、不可欠な部分になってきているのではないでしょうか。