ボランティアは、人々が無償で他者や社会に貢献する行為を指しますが、その価値は非常に大きいものです。ボランティア活動は、個人のスキルや経験が社会全体の利益に活かされる場であり、参加者にとっても学びや自己成長の機会となるため、双方にとって価値があります。
また、ボランティアは社会をつなぐ「絆」の役割を果たし、多様な人々が互いに理解し合うきっかけになります。特に医療や福祉など、ボランティアが人との触れ合いを通じて支援を行う分野では、人間的なつながりが非常に重要で、活動を通じて深い絆が築かれることも多いです。
社会においては、ボランティア活動が不足していると、多くの課題が積み重なり、より多くのリソースが必要になることもあります。したがって、ボランティア活動は、社会の安定や持続可能性を支える重要な要素であり、個人としても豊かな経験や視野の広がりを得られるものだと考えています。
定義の様な形で・・・
- 自発性・自主性
- 無償性・互酬性
- 社会性・連帯性
- 先駆性・創造性
と、書かれている文献もあります。
現在は有償ボランティアという考え方も根付いてきているかと思いますが、無償→ボランティア活動という考え方をされる人々が多いのも現実です。無償でないといけないのでしょうか?
「無償で」という言葉が強調されると、ボランティアに対するイメージが「完全に無報酬で行う奉仕活動」に限定されてしまい、実情に合わないことが多いです。ボランティア活動には、たとえば交通費や食費など、個人の負担が生じるケースも多く、「無償」で行われることが必ずしも理想とは言えないかもしれません。
近年では、一定の費用補助や報酬が支払われる「有償ボランティア」も増えてきており、これも広義のボランティア活動として十分に価値あるものだと思います。有償ボランティアは、金銭的なサポートがあることで、参加しやすくなり、結果的に活動の持続可能性や参加者の幅が広がります。
また、有償ボランティアによって活動が円滑に進むこともあり、たとえば医療・介護分野や災害支援などの現場では、一定の補助があってこそ継続できる活動も少なくありません。お金の有無が善意の有無を表すわけではなく、適切な報酬が支払われることでボランティアの質が向上し、ボランティアに参加する人も活動に責任感を持つようになる、というプラスの効果も期待されます。
ですので、「無償であること」にボランティアの価値を見出すよりも、「社会や他者のために行う貢献活動」であることが、ボランティアの本質であると捉えるほうが、より柔軟で実際的な考え方だと考えます。
それぞれ、志ある人々が社会貢献活動を継続していくためには、その活動を支える原資の確保が非常に重要です。ボランティア活動は善意や無償性の価値だけでなく、安定した運営や持続的な影響力を持つために、資金やリソースの確保も不可欠になってきています。
特に、近年はボランティア活動の多様化に伴い、資金調達の方法も柔軟に考える必要があります。クラウドファンディングやスポンサーシップ、企業や自治体の協力、さらに政府の助成金や補助金の活用など、多角的なアプローチが可能です。また、活動自体が「社会的価値」を生むものであることを強調し、その価値を見出して支援したいと考える企業や個人の支援を募ることも有効でしょう。
加えて、原資の確保だけでなく、ボランティアの人々が安心して活動を継続できる体制(例えば、メンタルケアやスキルアップの研修など)も重要です。資金を得るだけでなく、それがどのように効率的に使われ、どれだけの社会的インパクトを生み出すかが問われる時代になっています。そのため、透明性のある資金管理や成果の「見える化」が、信頼を高め、長期的な支援を得る鍵になると考えられます。
このように、原資を確保するための仕組みやサポート体制を整えることは、ボランティアが個人の負担で行う一時的なものではなく、社会のために長期的かつ継続的な貢献を可能にする道筋として重要になってきていると感じます。