
笑いがもたらす健康効果について
「笑う門には福来たる」ということわざがあるように、古くから笑いは幸福や健康を呼び込むものとされてきました。現代においても、笑いが人間の心身に与えるポジティブな影響について、医学や心理学の分野で多くの研究が行われています。ご紹介します。

1. 笑いが免疫力を高める
人間の体には、ウイルスや細菌などの外敵から体を守る「免疫システム」が備わっています。この免疫力に、笑いが好影響を与えることがわかっています。例えば、笑うことで「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」と呼ばれる免疫細胞の活性が高まるという研究があります。NK細胞は、がん細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃する重要な役割を持っています。
ある病院では、がん患者を対象に定期的にコメディ映画の上映やお笑い芸人のライブを取り入れる取り組みが行われています。実際に、笑いのある時間を過ごした後には、患者のNK細胞の活性が上昇し、免疫力が高まったというデータも報告されています。

2. ストレス軽減と自律神経の調整
私たちがストレスを感じると、交感神経が優位になり、心拍数が上がったり血圧が上がったりします。これが長期間続くと、体にさまざまな悪影響を及ぼします。しかし、笑うことで副交感神経が優位になり、リラックスした状態に導かれます。
例えば、仕事で強いストレスを抱えていたビジネスパーソンが、毎晩10分間コメディ番組を見るようにしたところ、1週間ほどで寝つきがよくなり、肩こりや頭痛が改善されたという体験談もあります。これは、笑いによってストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が減少し、自律神経のバランスが整った結果と考えられています。

3. 痛みの緩和効果
意外に思われるかもしれませんが、笑いには痛みを和らげる効果もあります。笑うと、脳内で「エンドルフィン」というホルモンが分泌されます。このエンドルフィンは、「脳内モルヒネ」とも呼ばれ、鎮痛効果を持つ物質です。
実際に、慢性痛を抱える高齢者に対して、お笑いのDVDを観る習慣をつけてもらった結果、痛みの感じ方が軽くなったという報告があります。また、笑っている間は痛みに対する意識が分散するため、主観的な苦痛の軽減にもつながります。
4. 呼吸器と循環器への良い影響
笑うと自然に深呼吸をすることになります。大笑いをすると、肺が大きく動き、普段使っていない肺の部分まで空気が入り、血液中の酸素濃度が高まります。これは有酸素運動に近い効果を持つとも言われています。
また、笑うことで心拍数が一時的に上昇し、その後ゆっくりと落ち着いていく過程は、血流の促進や血圧の安定化に寄与します。高血圧の患者に対して、笑いを取り入れた生活習慣改善プログラムを行った結果、血圧が下がったという研究もあります。

5. 社会的なつながりを深める
身体的な健康効果だけでなく、笑いは人と人とのつながりを深める潤滑油としての役割も果たします。職場や家庭、地域社会など、日常のコミュニケーションに笑いが加わることで、対人関係が円滑になり、孤独感や不安感が和らぐという心理的効果があります。
ある介護施設では、定期的に「笑いヨガ」の時間を設けています。入所者同士が顔を見合わせて笑い合ううちに、以前よりも会話が増え、互いを気遣う姿が多く見られるようになったという報告があります。こうした小さな変化が、精神的な安定や社会的な安心感を支える土台になるのです。

おわりに
笑いは特別なスキルや道具を必要とせず、誰でも無料で手に入れることができる「最高の薬」と言っても過言ではありません。病気を予防し、心を癒し、人との絆を強めてくれるこの力を、もっと日常生活に取り入れていくべきではないでしょうか。
たとえ忙しい日々の中でも、意識的に「笑う時間」を持つことが、自分自身をいたわり、人生を豊かにする第一歩となるかもしれません。

上のイラストは『ハッピーヘルスメーター』という代物で、下のパイプに息を吹きかけるとメーターが動きまして、現在の身体の状態が分かるという、”あったらいいな~”的なものです。AIが仕組まれておりまして、個人個人の総合的しあわせ感を見える化したもので、様々な設定オプションがあって、例えば、身体的のみ(血圧、心拍数、血糖値)の状態、それに加えて、精神的な状況を合わせたものとか、さらには、『幸せ感』まで加えて総合判断する、、、とか。開発しております。・・・・いやいや ウソですよ。あくまでも そこにあったらいいな~と思うだけです。