大阪で発生した「SNS投資詐欺未遂事件」で、100人以上の若者が逮捕されています。この事件はビジネスモデル化されており、しっかりと役割分担も行われていたようで、その被害額はなんと9億5000万円に上るとのことです。この種の詐欺事件は昔から繰り返されていますが、なぜ若者がこのような犯罪に手を染めていくのでしょうか?(内部には若者だけではないかもしれませんが。)いずれにせよ、拝金主義とでも言いましょうか、お金のためなら人を騙すことも厭わず、「騙される方が悪い」などと嘯きながら、SNSを駆使し(マッチングアプリも含む)、"赤信号、皆で渡れば怖くない"という考えで集団詐欺を働いていたようです。そんな連中には、「人への優しさ」なんてものは到底持ち合わせていないと思いますが、もし立件されて裁判で有罪となった場合は、服役を通じて改心してもらいたいものです。(罰金刑は無く、10年以下の懲役)
その様な嫌な事件もありますが、『人の優しさ』について考えてみたいと思います。
人の優しさとは、他者に対して共感し、理解し、助けようとする気持ちや行動のことを指と思いますが、これは単なる表面的な行為ではなく、相手の立場や気持ちを思いやることから生まれるものです。優しさは、私たちの人間関係や社会全体において非常に重要な要素であり、以下のような特徴や側面があります。
共感: 優しさの基本となるのは共感です。他人の気持ちや状況に心を寄せ、相手がどのように感じているかを理解しようとすることが、優しさの根源にあります。例えば、誰かが困っている時に、その人の痛みや辛さを感じ取って、手を差し伸べることが共感の現れです。
利他性: 優しさはしばしば利他的な行動に結びつきます。これは、自分の利益を顧みずに他者のために何かをする姿勢を指します。例えば、忙しい中でも友人の悩みを聞いてあげる、道に迷っている人を案内するなど、相手のために自分の時間やエネルギーを使う行動がこれに当たります。
思いやり: 優しさには、他者を傷つけないように配慮する「思いやり」の心も含まれます。言葉遣いや行動において、相手を尊重し、相手の感情を大切にすることが思いやりです。例えば、誰かがミスをした時に、その人を責めるのではなく、優しく励ましたりサポートしたりすることが思いやりです。
継続性: 優しさは一時的なものではなく、日々の生活の中で継続的に表れるものです。小さな行動の積み重ねが、他者との信頼関係を築き、より良い社会を作り上げます。例えば、毎日家族に感謝の気持ちを伝えることや、職場で同僚に気を配ることなど、日常の中で表れる小さな優しさが大きな影響を持ちます。
優しさは、個々人の幸せだけでなく、コミュニティや社会全体の調和にも寄与します。他者を思いやり、助け合うことで、誰もが安心して生きられる環境が生まれます。優しさが広がることで、社会はより温かく、住みやすい場所になるでしょう。
さらに続けます。
忍耐力: 優しさには忍耐力が伴うことが多いです。特に、相手が困難な状況にある時や、感情的になっている時に、その人の感情に寄り添い、冷静に対応するためには忍耐が必要です。例えば、友人が落ち込んでいる時に、焦らずに話を聞き続け、必要なサポートを提供することがこれに当たります。
寛容さ: 優しさには他者の欠点や失敗を受け入れる寛容さも含まれます。人は誰しも完璧ではないため、時には間違いを犯すこともあります。その時に、批判するのではなく、その人を理解し、許すことで相手に安心感を与えることが優しさの一つです。例えば、部下がミスをした際に、その原因を一緒に考え、次にどうすれば良いかを導く行動が寛容さです。
自己犠牲: 優しさの中には自己犠牲も含まれます。これは、他者のために自分の利益や時間を犠牲にする行動を意味します。自己犠牲は利他的な行動の一環であり、特に緊急時や重要な場面で発揮されることが多いです。例えば、家族のために自分の自由時間を使ってサポートすることや、困っている友人に自分の持っているリソースを分け与えることがこれに該当します。
誠実さ: 優しさは誠実さとも密接に関連しています。優しさには、相手に対して嘘をつかず、誠実に接することが求められます。相手の信頼を裏切らず、正直であることは、優しさを持続的に保つための重要な要素です。例えば、相手にとって耳が痛いことでも、誠実に伝えることで、相手の成長を助けることが優しさの一つです。
協力心: 優しさは、他者と協力し合い、共に目標を達成しようとする姿勢にも表れます。自分一人で成し遂げるのではなく、相手と協力して物事を進めることで、相互の信頼が深まり、より良い結果を生むことができます。例えば、チームプロジェクトで仲間と協力し合い、困難を乗り越えることで、全員が成功を共有することが優しさの現れです。
感謝の気持ち: 優しさには感謝の気持ちを持つことも含まれます。他者から受けた優しさに感謝し、それを表すことは、優しさの循環を生み出します。感謝の気持ちを持ち、それを言葉や行動で表現することによって、相手にも喜びを与えることができます。例えば、誰かに助けてもらった時に、感謝の言葉を忘れずに伝えることが、感謝の気持ちを示す一つの行動です。
柔軟性: 優しさには柔軟な対応力も含まれます。相手の状況やニーズに応じて、自分の行動や考え方を柔軟に変えることで、より適切な支援や共感を示すことができます。例えば、予定が変わったり、急に誰かが助けを求めてきた時に、柔軟に対応して助けることが優しさの一つです。
無条件の愛: 優しさには、相手が誰であろうと、何をしていようと、その人を無条件に受け入れ、愛する気持ちが含まれます。これは、相手が失敗しても、その価値を認め続ける姿勢を示すものです。例えば、親が子供に対して、どんな時でも支え続ける行動が無条件の愛の表れです。
謙虚さ: 優しさには、相手を立て、自分を前に出さない謙虚さも必要です。自分の利益や功績を主張するのではなく、他者を優先し、支えることを重視する姿勢が、謙虚さと結びつきます。例えば、チームで成功を収めた時に、自分の貢献を強調するのではなく、チーム全体の成果として認識し、他者の努力を称賛することが謙虚さの表れです。
積極的な姿勢: 優しさは受動的なものではなく、積極的に相手を助けようとする姿勢も含まれます。困っている人を見過ごさず、自ら進んで支援することで、優しさを表現できます。例えば、誰かが手を貸してほしいと言う前に、自ら進んで助けに行くことが積極的な優しさです。
情熱: 優しさには、相手や社会全体に対する情熱も含まれます。人々の幸福や成長に情熱を持ち、そのために努力を惜しまない姿勢が、優しさをより強くし、広く伝播させる要因となります。例えば、社会的な問題に対して声を上げ、解決策を探るために積極的に行動することが、情熱と優しさの一体となった行動です。
これらの特徴を理解し実践することで、優しさは一層深まり、周囲の人々との関係を豊かにし、より良い社会の構築に貢献することができるようになると思います。勿論、全ての事が同時にできるかと言えば難しいですが、『心がける』事が、各々の心の『優しさの道しるべ』になっていくと思います。