『意図せざる結果』とは、ある行動や政策の結果として、予期しなかった効果や影響が生じる現象を指すのですが、この現象は、以下の3つの主なカテゴリーに分類されます。

予測可能な意図せざる結果(Foreseen unintended consequences):
実施される政策や行動の影響が予測可能であるが、意図的には望まれていない結果。
例: 法律の改正により、特定の行動が増加することが予測されているが、望ましい結果とはされていない場合。

予測不可能な意図せざる結果(Unforeseen unintended consequences):
予測が難しい、もしくは全く予測できなかった影響。
例: 新しい技術の導入により、思いもよらない副次的な影響が生じる場合。

●逆効果(Perverse result): 
行動や政策の結果として、意図した目的とは正反対の結果が生じる場合。
例: 薬物禁止法が強化されることで、逆に薬物の取引が地下に潜り、取り締まりが難しくなる場合。

この概念は、経済学、社会学、政治学などの分野で重要な役割を果たします。特に政策立案者や経営者などが意思決定を行う際には、意図せざる結果を考慮することが重要です。これは、短期的な効果だけでなく、長期的な影響や副次的な影響も慎重に評価する必要があるからです。

さらに例をあげると分かりやすいと思います。

プラスチックストローの禁止:
目的: 環境保護のため、プラスチックごみを減らす。
結果: プラスチックストローの代わりに使われる紙ストローが大量に生産されるが、製造過程で多くの資源を消費し、環境への影響が悪化する場合がある。
デジタルデバイド:
目的: テクノロジーの普及により情報アクセスの平等を目指す。
結果: 高齢者や低所得層がテクノロジーにアクセスできず、情報格差が拡大する。
最低賃金の引き上げ:
目的: 労働者の生活水準を向上させる。
結果: 企業がコストを削減するために従業員を解雇したり、自動化を進めたりし、失業率が上昇する場合がある。
道路の拡張:
目的: 交通渋滞を緩和するために道路を拡張する。
結果: より多くの車が道路を利用するようになり、結果的に渋滞がさらに悪化する。
薬物禁止法:
目的: 違法薬物の使用と取引を減少させる。
結果: 薬物取引が地下に潜り、暴力団や犯罪組織の活動が活発化する。

公園での鳩の餌やり禁止:
目的: 鳩の数を減らし、衛生状態を改善する。
結果: 鳩が餌を求めて他の地域に移動し、他の場所での問題が発生する。
学校の宿題量の削減:
目的: 学生のストレスを軽減し、自由時間を増やす。
結果: 学生の学力が低下し、教育格差が広がる可能性がある。
防災インフラの強化:
目的: 自然災害への対応能力を高める。
結果: 災害に対する過信が生まれ、個人の防災意識が低下する場合がある。
喫煙エリアの設定:
目的: 非喫煙者への受動喫煙の影響を減らす。
結果: 喫煙者が集中するエリアでの煙害が増加し、周囲の環境が悪化する。
健康食品の過剰消費:
目的: 健康を維持・向上させるために健康食品を摂取する。
結果: 栄養バランスが崩れたり、特定の成分の過剰摂取による健康被害が発生する場合がある。

これらの例は、良かれと思って行った行動や政策が、予期しなかった結果を引き起こす可能性があることを示しています。したがって、意思決定の際には、様々な視点から影響を検討することが重要ですが、現在の政策において、偏った考えのシステム構築機能が働いており、意図せざる結果のパッチ処理を是とする風潮があると感じております。あなたはどう思いますか?何故その様になっているかといえば、日本独特の『忖度』『曖昧』が美徳とするような社会の存在が影響しているのでは?そう思ってしまいます。