上図の関係を慶応義塾大学大学院の前野教授は著書において書かれています。一方、内閣官房孤独・孤立対策担当室が公開している調査結果では下図になります。(2017年ISSP資料)
『いない』の回答割合において書かれているように70歳以上では約5割となっています。この結果を考察しますと下記の要因があると思います。
友人の減少:年齢を重ねるにつれて、友人や知人が病気や死亡により減少することが多くなります。特に高齢者にとって、同年代の友人が亡くなることは避けられない現実です。
健康の問題:高齢になると健康問題が増え、外出や社交活動が制限されることが多くなります。これにより、新たな友人を作る機会が減り、既存の友人との交流も減少する傾向があります。
社会的な変化:退職後は職場での人間関係が途絶えることが多く、仕事を通じた友人や知人とのつながりが失われがちです。特に、仕事が社会的なつながりの主要な場であった場合、この影響は大きいです。
生活環境の変化:子供の独立や配偶者の死別など、家庭環境の変化も孤独感を増す一因です。特に一人暮らしになると、日常的な会話の機会が減り、孤立感が強まります。
心理的な要因:高齢になると、心理的にも新しい友人を作ることに対して消極的になる場合があります。過去の経験や失敗、人間関係に対する不安などが原因で、新しいつながりを築くことに対して抵抗感を持つことがあります。
文化的な要因:日本では特に、高齢者が「家族に頼るべき」といった文化的な背景も影響しているかもしれません。このため、友人関係よりも家族関係に重きを置く傾向があり、友人を求める行動が減少することが考えられます。
これらの要因が組み合わさることで、70歳以上の多くの人々が「悩み事を相談できる友人がいない」と感じるようになっているのかもしれません。この現象は、高齢者の生活の質や精神的な健康に影響を与えるため、社会的なサポートやコミュニティの活性化が重要な課題となっています。さらに、2017年の国立社会保障・人口問題研究所(←色々とありますね)が行った調査が気になるのでアップします。
「愚痴を聞いてくれる人がいない」と回答した方も70歳代の方が多いようです。この『悩み事を相談できる人がいない』『愚痴を聞いてくれる人がいない』の結果は、『幸せ』の研究から現実が少し乖離しているのかもしれませんね。ちょっと、難しくなってきてますが、、、まぁ、調査も2017年ですし、現時点ではどうなっているのかは分かりませんし、少し変化はしてきているとは思います。いずれにしましても、歳を重ねても多彩な友人が持てている人は『幸せ』であるという事は、そりゃそうと、思います。