数年前より企業はワーク・エンゲージメント向上に注目しています。ワークエンゲージメントとは、従業員が組織や仕事に対してどれだけ強い関与や熱意を持っているかを指す概念です。これは、従業員が自分の仕事に対して意欲的で、自発的に積極的な行動をとり、組織に貢献しようとする姿勢を表しますが、では、従来はどのような形だったか?考えてみますと・・変化してきた背景、効果も含めて考えてみます。
従来型の組織や仕事における概念では、従業員と仕事の関係は単に労働力としての取引と見なされることが一般的でした。このアプローチでは、従業員は単なる業務の実行者であり、組織との関係は単なる経済的な交換に過ぎませんでした。給与をもらい、仕事をこなし、その対価として雇用者から給与が支払われる、といった取引の枠組みでした。
この従来型のアプローチは、従業員のモチベーションや感情的な側面を度外視していたと言えます。従業員の個々の感情や意欲はあまり考慮されず、仕事は主に任された業務を遂行するという単なる作業と見なされていました。従業員と組織の連携は形式的で、コミュニケーションやフィードバックの機会が限られていたことが一般的でした。
この従来型のアプローチが変わりつつある理由の一つは、労働市場の変化や組織の競争が激化する中で、従業員のモチベーションや満足度が業績や競争力に直結するという認識の変化です。その結果、ワークエンゲージメントの概念が注目を浴び、従業員の意欲や関与を高め、組織全体の成果に寄与することが強調されるようになりました。従業員が仕事に対して意欲的で充実感を感じることが、単なる経済的な報酬だけでなく、組織全体にとっても重要な要素として認識されるようになりました。ワークエンゲージメントは、従業員の心理的な状態や仕事へのコミットメントに焦点を当てています。概念図です。①・・以上です。・・・続く