
何か、向いている方向があいまいと申しますか、違う方向へ進んでいるのかも?しれません。
1. 予防医療への本質的な取り組み不足
▶ 問題のポイント:病気になってからの対応が主で、病気を防ぐための習慣づくりが軽視されている
現状
- 日本の医療制度は充実しているが、そのせいで「病気になったら病院へ行けばいい」という意識が根強い。
- 一方で、セルフメディケーションは「軽い不調に対処するための市販薬活用」として語られ、「健康そのものを維持するための習慣形成」が軽視されている。
- 例えば、生活習慣病の多くは、食事・運動・睡眠・ストレス管理など日常生活の改善で予防可能だが、国の施策ではそこまで踏み込めていない。
考えられる影響
- 医療費削減が本質的に進まない
→ 一時的に市販薬の利用が増えても、生活習慣病が増え続けると、結果的に医療費は増大し続ける。 - 国民の健康リテラシー(正しい知識)の向上が進まない
→ 「症状が出たら薬を使う」という発想のままで、「健康を維持する」という考え方が根付かない。

2. 精神的ケアへの視点の欠如
▶ 問題のポイント:ストレスやメンタルヘルスに関するセルフメディケーションの概念が不十分
現状
- 生活習慣病や体の健康管理に比べ、精神的なケアについての啓発はまだ遅れている。
- 例えば、「セルフメディケーション」と言えば、「風邪薬や胃薬の活用」といった物理的な対処が中心であり、メンタルケアやストレス管理の話はほとんど含まれていない。
- 精神的なストレスは、生活習慣病のリスクを高める要因(高血圧、糖尿病、心疾患など)にもかかわらず、ストレスマネジメントの指導や啓発活動が不十分。
考えられる影響
- メンタル不調が見過ごされ、重症化しやすい
→ うつ病や不安障害などが進行し、結果的に医療機関の受診が必要になるケースが増加。 - ストレス由来の生活習慣病の増加
→ 慢性的なストレスが、暴飲暴食・運動不足・睡眠不足を引き起こし、生活習慣病を悪化させる。 - 市販の睡眠改善薬・抗ストレスサプリなどの安易な使用
→ 根本的な解決ではなく、対症療法としての薬に依存しやすくなる。

3. 健康情報の氾濫と誤ったセルフケア
▶ 問題のポイント:健康リテラシーの格差が広がり、間違った自己判断が増える
現状
- SNSやネットの普及により、健康や医療に関する情報が大量に流通しているが、その信憑性にはバラつきがある。
- 「◯◯を食べれば健康になる」「◯◯が体に良い」などの極端な健康法が拡散され、誤ったセルフメディケーションが行われるリスクがある。
- 一方で、医療従事者や公的機関からの正しい情報発信が十分でなく、健康に関する知識の格差が広がっている。
考えられる影響
- 不適切な薬の使用やサプリ依存の増加
→ 効果のない健康食品やサプリに頼る人が増え、医療機関を受診すべき症状を見逃す。 - 誤情報による健康被害のリスク
→ 根拠のないダイエット法や免疫向上法が広まり、逆に健康を害する可能性がある。 - 健康格差の拡大
→ 正しい情報にアクセスできる人とできない人の間で、健康状態に大きな差が生まれる。

4. 企業や社会全体の取り組みの遅れ
▶ 問題のポイント:個人にセルフメディケーションを任せるだけで、企業や社会の責任が軽視されている
現状
- セルフメディケーションは、基本的に「個人が自分で健康管理をする」という発想に基づいているが、健康管理には企業や社会の環境整備も不可欠。
- しかし、企業によっては長時間労働や過度なストレス環境が放置され、個人のセルフケアだけでは対応しきれないケースが多い。
- 健康経営(社員の健康を重視する経営方針)を掲げる企業も増えているが、まだ一部にとどまる。

考えられる影響
- 個人の努力だけでは限界がある
→ 労働環境が不健康なままでは、セルフメディケーションだけでは健康は維持できない。 - 社会全体の健康意識が高まらない
→ 健康を個人の責任として押し付けるだけでは、本質的な解決にはならない。

まとめ
セルフメディケーションの推進は本来良い取り組みですが、「予防」「メンタルケア」「正しい健康情報の提供」「社会の関与」といった視点が欠けているため、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような矛盾が生じています。
この問題を解決するには、単に医療費削減を目指すだけでなく、
✅ 予防医療の強化(健康教育・運動・食生活指導)
✅ メンタルケアの充実(ストレス管理・心のセルフメディケーション)
✅ 正しい健康情報の発信(公的機関や医師による啓発)
✅ 企業や社会の取り組みの推進(労働環境の改善・健康経営の普及)
といった、多角的なアプローチが必要だと思います。