日本人は自分らしく生きる事が苦手なのではないでしょうか?私も日本人ですのでその中に入ります。そもそも、これまではそのような概念は無かった様にも思います。他の人と同じような生活をする事が普通と言いますか、特段、違和感も無くて逆にそうでない人が「変わり者」の様な感覚があったように思います。

それは私だけの考えなんでしょうか?日本人の持って生まれたもの、また、社会の慣習として特異なものがあったのでしょうか?考えたいと思います。(長編・力作です)

1. 歴史的・文化的背景

日本は長い間、農耕社会として発展してきました。農業は共同作業が基本であり、集団の調和を保つことが生存戦略として重要でした。そのため、「和を以て貴しとなす」という価値観が根付き、個よりも集団を優先する文化が形成されたと考えられます。

2. 教育と社会システム

学校教育でも、「みんなと同じようにすること」が重視される傾向があります。例えば、制服の着方や給食の食べ方まで統一されていることが多く、「個性よりも協調性が大事」というメッセージが幼い頃から刷り込まれます。社会に出ても、新卒一括採用や年功序列といった制度が、「みんな同じスタートラインに立つ」ことを前提に作られています。

3. 「変わり者」への見方

日本社会では、「周囲と違うこと」が目立つと、何かと指摘されがちです。例えば、学校で一人だけ違う意見を持っていると「空気が読めない」と言われたり、職場で異質な発想をすると「協調性がない」と思われたりします。このような環境では、自分らしさを出すことに心理的なハードルが生まれやすいですよね。

4. 近年の変化

しかし、最近は少しずつ「個性」や「自分らしさ」を大切にする風潮も出てきています。特に、SNSの普及により多様な価値観が可視化され、必ずしも「みんなと同じである必要はない」という考え方も広まりつつあります。とはいえ、まだまだ「自分らしく生きる」ことに葛藤を感じる人は多いのではないでしょうか。

これまでの日本の風土的な部分を考えてみました。他方、社会の枠にとらわれるのではなく、ある目的のために主体的に動くことで、自己肯定感も高まり、「他人の目を気にする」ことから解放されると私は思っておりますので、その部分をさらに考えてみます。

「他人の顔色をうかがう」DNAとは何か?

「DNA」と書きましたが、、そういう遺伝的な要素というよりも、長い歴史の中で形成された文化的な遺伝子(メンタリティ)と捉えられそうですね。この性質は、日本社会において「空気を読む」「同調する」という行動として表れます。例えば・・・

  • 会議で自分の意見を言う前に、周りの反応を見てしまう。
  • SNSでも炎上を恐れて、本音ではなく無難な発言をする。このような行動が、日本では日常的に見られますよね。

では、なぜ日本人はここまで他人の顔色をうかがうのでしょうか?


集団主義社会の影響

他国と比較すると、日本は極めて「集団主義的」な社会です。欧米では「個」が優先されるのに対し、日本では「和」が重視されます。この背景には、以下のような要因が考えられます。

🔹 村社会の名残

日本は古くから農耕社会であり、村の中で協力しながら生きることが求められてきました。田んぼの管理や水の分配など、共同で行わなければ成り立たない仕組みが多く、「輪を乱す者は排除される」というルールが形成されてきました。このため、日本人には「他人と調和することが生存に必要」という意識が根付いているのかもしれません。

🔹 江戸時代の「五人組制度」

江戸時代には「五人組」と呼ばれる相互監視システムがありました。これは、5軒の家がグループとなり、誰かが罪を犯した場合、連帯責任を負うという制度です。このような環境では、「誰かが変わったことをすると、自分たちにも被害が及ぶ」という心理が働き、自然と「周りの目を気にする」文化が育った可能性があります。

🔹 戦後教育の影響

戦後の日本の教育も、「個性よりも協調性を重視する」形で発展しました。例えば・・・

  • 同じ制服、同じ髪型:画一的な価値観を植え付ける
  • 先生の言うことは絶対:自分の意見よりも指示に従うことを学ぶ
  • みんなで同じことをする授業スタイル:異なる考えを持つよりも、一斉に同じことをする方が安心

このような環境で育つと、「みんなと違うことをするのは怖い」という感覚が刷り込まれます。


「個性重視」に向かう現代とのギャップ(少し重複)

とはいえ、近年は少しずつ「個を尊重する」動きも広がっています。例えば・・・

  • SNSの普及 → 自分の考えを発信しやすくなった
  • リモートワークの増加 → 会社の文化に染まる必要がなくなった
  • 多様性の重視 → LGBTQ+やジェンダーの問題に対する理解が進む

こうした変化により、「自分らしく生きること」が許容される場面が増えてきています。しかし、社会全体としてはまだ「みんながそうしているならOK」という傾向が強く、完全に「個性重視」にシフトしたわけではありません。


これからの課題

今後、日本社会がさらに変わるためには、「他人の目を気にしすぎない」環境をどう作るかが鍵になりそうです。そのためには:

  1. 教育の見直し → 「みんなと同じが正解」ではなく、「自分の意見を持つことが大切」と教える
  2. 働き方の改革 → 年功序列ではなく、成果重視の評価制度を導入する
  3. メディアの影響 → 多様な価値観を持つロールモデルをもっと発信する
  4. 発信者の増加 → 実際に「自分らしく生きる人」が増えることで、社会全体に広がっていく

❺ 結局

この話を深掘りしていく中で、人が「自分らしく生きること」に目覚める背景を考えた時、やはり「目的を持つこと」が挙げれるのではないかと思います。他人の目を気にすることから解放されるには、「何のために生きるのか」という自分自身の指針が明確であることが重要なのかもしれません。

では、最後に「これからの課題」について、もう少し深掘りしていきます。お付き合いください。

❶ 企業の変革と「自分らしさ」の両立

企業が「自分らしく生きる」ことを受け入れつつあるのは良い流れですが、実際にはまだ過渡期であり、以下のような課題があります。

🔹 企業の本音と建前のギャップ

  • 表面的には「ダイバーシティ推進」や「個性を尊重」と言いながら、実際には「社風に合う人」を求めているケースが多い。
  • 「心理的安全性」を重視すると言いつつ、異なる価値観や意見が許容されにくい風潮が残る。
  • 成果主義を導入した企業も増えたが、年功序列の名残があり、若手がのびのびと個性を発揮しづらい。

👉 解決策のヒント

  • 人事制度をさらに柔軟にする(副業・パラレルキャリアの許容など)。
  • 「社風に合う人」ではなく、「新しい価値を生み出せる人」を評価する文化の醸成。
  • 多様な働き方(リモートワーク、時短勤務など)を実現し、選択肢を増やす。

❷ 教育のアップデート

若者が「自分らしく生きる」ことを当たり前にするには、教育のあり方も変えていく必要があります。

🔹 画一的な教育の弊害

  • 学校では未だに「みんなと同じようにすること」が重視される。
  • 正解を求める教育が多く、「自分の意見を持つ」「考えを深める」機会が少ない。
  • 社会に出たときに、「言われたことはできるが、自分で考える力が不足している」ケースが多い。

👉 解決策のヒント

  • アクティブラーニング(生徒が主体的に考える教育)を推進する。
  • 「多様な価値観を認める」授業を導入し、違いを尊重する文化を育てる。
  • キャリア教育を強化し、「個人としての生き方」を考える機会を増やす。

❸ 「社会のつながり」の再構築

個人が「自分らしく生きる」ことを実践できる社会には、新しい形のコミュニティが必要です。
『Terminal Station for Connecting with Society』社会と繋がるターミナルステーション←当ネットワークの目指すところ

🔹 日本社会の課題:孤立化

  • 高齢者の孤立:地域社会のつながりが希薄化し、孤独を感じる高齢者が増えている。
  • 若者の孤立:SNSが普及したことで、リアルな対人関係の経験が減り、孤独感を抱える若者も増加。
  • 会社以外の「居場所」が少ない:仕事や学校以外で、多様な価値観を持つ人とつながれる場が不足している。

👉 解決策のヒント

  • 「世代や背景を超えたつながり」を提供する場の創出。
  • 地域コミュニティの再生(小規模な交流の場を増やす)。
  • オンラインとオフラインの融合(SNS上のつながりをリアルにも活かす)。

❹ 「目的を持つ」ことの重要性

Shigeさんが実感されているように、「目的を持つこと」が自分らしく生きるための鍵になります。しかし、目的を持つこと自体が難しい人も多いのが現実です。

🔹 目的を見つけられない人の増加

  • SNSで他者と比較してしまい、「自分のやりたいことがわからない」と感じる若者が多い。
  • 一度レールを外れると「何をすればいいかわからない」となりがち。
  • 「成功」のイメージが画一的で、「好きなことをやる=生きづらい」と思われがち。

👉 解決策のヒント

  • 小さな成功体験を積む場を増やす(ボランティア、プロジェクト型学習など)。
  • 「目的を持つこと」の重要性を伝える人を増やす。
  • 「やりたいことがない」ことを否定せず、試行錯誤できる環境を提供する。

まとめ:これからの社会をどう変えるか?

当会が目指す「Terminal Station for Connecting with Society」のような場は、これからの社会にとって極めて重要と思っています。「自分らしく生きること」を支援し、企業・教育・社会のつながりを再構築する役割を担える可能性までも期待できます。

「Terminal Station for Connecting with Society」を進化させるならば、例えば・・・

  • 企業と連携し、「自分らしさを尊重する働き方」を模索する場を作る
  • 教育機関と連携し、若者が「目的を持つ」きっかけを提供する
  • 高齢者や社会とのつながりを求める人々が交流できる仕組みを作る

このような形で、日本の「他人の顔色をうかがう文化」から、「自分らしく生きる文化」への移行を後押しできるかもしれません。