好意の返報性(へんぽうせい/返報性の原理とも言います)は、社会心理学の概念で、人が他人から受けた好意や恩恵を返そうとする心理的な傾向を指します。この原理は、多くの文化や社会で普遍的に見られるもので、人間関係や社会的な相互作用の中で重要な役割を果たしています。また、人と人との付き合いの中でもその様な原理は働きます。例えば、好意を示せば好意が返ってくるケースが多いです。人が自分の事を好きになってくれたら、これまで何とも思っていなかった人でも、少し気になり出したり、同じ様に好きになったりもします。これは『好意の返報性』といいます。私達は受けた好意や恩恵を、返そうとする気持ちが働きますよね。が、まぁ~、世の中には様々な人が居てることもあり、全くそうでない人も居てるのも事実です。ある意味、自己肯定感が強い人なのかもしれません(違うかも?笑)。言葉に出すだけの人も多いですよね~、「わ~ありがとうございます!じゃー私は今度○○しますね~」で、それっきり。以外に多いかも?皆さん、どうですか?言葉に出す人はそんな人が多い?

書く必要もないですが、具体的には、以下のような場面ですね。

ギフトやサービスの返礼
誰かからプレゼントをもらったり、助けてもらったりした場合、同様の形でお返しをしようとする。例えば、友人から誕生日プレゼントをもらったら、その友人の誕生日にも何か贈り物をしたくなる。
職場やビジネスにおける返報
同僚が仕事を手伝ってくれた場合、その好意に応えようと、次の機会にその同僚を手助けしようとする。ビジネスの場面でも、顧客や取引先に対するサービスや特典が、将来的な取引や信頼関係の構築に繋がる。
社会的規範としての返報性
社会全体として、他人の好意や援助に対して感謝の意を表し、何かしらの形でお返しをしたいと思います。例えば、ボランティア活動に対して感謝の気持ちを示し、その活動を支援する形での返礼が行われたりします。

このような好意の返報性は、人間関係を円滑にし、信頼や協力を促進するための重要な要素となります。

社会生活を送る上で、こういう「いわずもがな」的な部分があって、成り立っていると思いますが、前述しましたように「そうでない人・分からない人・あえて忘れる人」が多いので、複雑な人間関係になってくるのでしょうね。

一方、経験的に、好意の返報性の原理がビジネスにおいても基本的な原理として機能していると私は思っておりまして、この原理が基盤として存在することで、以下のようなプラスになる要素があります。

信頼と信頼性の構築
好意の返報性が社会やビジネスの中で機能することで、相互の信頼関係が築かれやすくなります。信頼は長期的な関係を築くための基盤となり、ビジネスパートナーや顧客との関係性を強固にします。
協力と共同作業の促進
人々が互いに好意を返すことで、協力や共同作業が促進されます。これにより、チームや組織全体の効率や生産性が向上し、共同目標の達成が容易になります。
ポジティブな企業文化の形成
好意の返報性が企業文化の中に浸透することで、社員同士が助け合い、支え合う風土が醸成されます。これにより、職場の雰囲気が良くなり、社員のモチベーションやエンゲージメントが高まります。
顧客関係の強化
顧客に対して誠実で親切な対応をすることで、顧客もその企業に対して忠誠心を抱きやすくなります。良い顧客体験は口コミやリピート購入に繋がり、
長期的なビジネスの成功に貢献します。
倫理的なビジネス実践
好意の返報性の原理をビジネスの基本として位置づけることで、倫理的で公正なビジネス実践が促されます。これにより、社会全体に対する企業の信頼性や評判が向上します。

具体的な実践方法
●感謝の表現:社員や顧客に対して定期的に感謝の意を示す。例えば、社員の貢献に対して感謝のメッセージや表彰を行う、顧客に対してサンクスメールや特典を提供するなど。
●フィードバックの重視:フィードバックを積極的に求め、それに基づいて改善を行う。社員や顧客の意見を尊重し、応える姿勢を持つ。
●コミュニティの貢献:企業が地域社会やコミュニティに対して貢献活動を行う。ボランティア活動や寄付などを通じて、社会全体に対する好意の返報性を実践する。

このように、好意の返報性を意識的にビジネスや社会の基本原理として取り入れることで、より良い人間関係や社会的価値を創出することが可能になります。