以前も同じ文脈で投稿したと思いますが、再度になります。
日本では、海外と比べて「幸せを意識した生活」が根付いていないと感じることが多いですね。その原因と最近の意識状況、そして将来の予想などを考えてみました。

① なぜ「幸せを意識した生活」が薄いのか?

1. 集団意識と同調圧力

日本は伝統的に「和を以て貴しとなす」という価値観が強く、個人の幸福よりも集団の調和や義務を優先する傾向があります。「自分の幸せを追求すること=わがまま」と捉えられがちで、特に年配層では「苦労することが美徳」という価値観も根強いです。

2. 幸福の定義が社会的成功に依存しやすい

日本では「幸せとは何か?」を個人で考える機会が少なく、社会が提示する成功モデル(学歴・就職・結婚・持ち家など)に沿うことが良しとされてきました。しかし、こうしたモデルは時代遅れになりつつあり、特に若い世代には共感されにくくなっています。

3. 過度な労働文化

欧米に比べ、日本では「仕事=人生」のような考えが根強く、自己実現や余暇の充実よりも、仕事を優先する傾向があります。長時間労働や有給取得率の低さがそれを象徴しており、「幸せを意識する余裕がない」というのが実情です。

4. 教育による影響

学校教育でも「幸せとは何か?」を考えさせる機会はほとんどなく、「努力すれば報われる」「正解を求める姿勢」が強調されます。その結果、個々人が「自分にとっての幸せ」を模索する習慣が育ちにくいのかもしれません。


② 最近の意識の変化

1. Z世代・ミレニアル世代の価値観の変化

若い世代では「収入よりも自分らしさ」「働きがい」など、精神的な満足を求める傾向が強まっています。副業やフリーランス、FIRE(早期リタイア)を目指す人が増えているのも、その一例です。

2. コロナ禍による価値観のシフト

コロナをきっかけに、「何のために働くのか」「本当に大切なものは何か?」と考える人が増えました。地方移住やワーケーション、リモートワークの普及など、「幸せを意識したライフスタイル」を求める動きが加速しています。

3. 幸福学の台頭

近年、心理学・脳科学の分野で「幸せを科学する」動きが活発になっており、日本でも前野隆司氏(慶應義塾大学)の幸福学などが注目されています。これが教育や企業文化にも徐々に影響を与え始めています。


③ 将来の展望

1. 「幸せ」を意識する社会への移行

今後、日本でも「幸福を意識した生活」が一般化していく可能性があります。特に企業の人事戦略として「ウェルビーイング経営」や「心理的安全性」が重視されるようになっており、これは社会全体の意識変化にもつながるでしょう。

2. 「幸せの多様化」が進む

過去のような「全員が同じ幸せを目指す時代」から、「個々人が異なる幸せを求める時代」になっていくと考えます。お金・仕事・家庭だけでなく、社会貢献、精神的充足、創造活動など、より多様な価値観が認められるでしょう。

3. 高齢化社会における「幸せの再定義」

高齢化が進む日本では、「老後の幸せとは何か?」がますます重要になります。社会的つながりや生きがいのある暮らしを求める人が増え、私達が目指している社会と繋がるターミナルステーションのような場の構築が、ますます必要とされると思います。


④ まとめ

これまで日本では「幸せを意識する」文化が薄かった背景には、集団主義や労働中心の価値観がありました。しかし、若い世代の価値観変化やコロナ禍を経て、「幸せのあり方」を再考する動きが出てきています。今後は、より多様な幸せを追求する社会になり、我々の活動が大きな意味を持つ時代になっていくでしょう。その様に思います。

さらなるテーマ
一方、結局のところ幸せとは個人の主観で左右されるものであるが故に、結論は出ないものでありながらも議論は必要なものである!と思っております。ですので、今回のイベントにおいてもテーマとして選定しました。議論の中で幸せの意識を知っていただく事こそ、まずはやるべき事とであり、ひょっとするとそれに尽きるのかも?と思っております。やってみないと分からない部分もありますし、そういう流動性があるのが、幸せの本質ではないのか?とも思っております。今回のイベントは(4/20開催)、まさに「幸せについて考える場」を提供するという意味で、とても意義深いものになると思います。議論を通じて「考えるきっかけ」さえ提供できれば、それが参加される方々の人生に何らかの影響を与える可能性もありますし、私達の活動テーマの新たな発見にもなると思っております。

「令和のしあわせ」とは何か?

令和の時代は、価値観の多様化が急速に進み、従来の「幸せの型」が崩れつつある時代だと思います。昭和・平成と比べて、「こうあるべき」という社会的な枠組みが弱まり、個々人が「自分にとっての幸せとは?」と改めて向き合う機会が増えています。

その中で、令和ならではの「しあわせ」の特徴をいくつか挙げると、以下のような点が浮かびます。


① 「つながり」から生まれる幸せ

平成後半~令和の時代は、SNSやオンラインコミュニティが発達し、物理的な距離を超えて人とつながることが容易になりました。一方で、リアルな場での孤独や分断も問題視されています。そのため、今の時代においては、単なる「人付き合い」ではなく、「本当に心が通うつながり」を求める傾向が強まっているように思います。


② 「精神的な充足」を重視する幸せ

昭和・平成では、「経済成長」や「物質的な豊かさ」が幸せの象徴でした。しかし、令和の時代には、必ずしも「お金」や「モノ」だけが幸せではなく、「心の充実」や「自己実現」がより重視されるようになっています。例えば、Z世代は「安定よりもやりがい」を求めたり、ミニマリズムやFIRE(経済的自立・早期リタイア)を志向する人が増えたりしています。

また、幸福学の研究が進み、「感謝」「利他的行動」「マインドフルネス」などが精神的な幸福を高める要素として認識されつつあります。これらの要素が、令和の「幸せの形」に大きく影響していると感じます。


③ 「選択の自由」がもたらす幸せと迷い

令和の時代は、選択肢が増えたことで「自分の幸せは自分で決める時代」になっています。例えば、働き方にしても、「会社員」「フリーランス」「ノマド(ワーカー)」「二拠点生活」など、かつてないほど多様な選択肢があります。

しかし、選択肢が増えたからこそ、「何を選べば本当に幸せになれるのか?」という迷いも生まれています。「正解のない幸せ」を考え続けることが、令和の生き方の一部になっているのかもしれません。


④ 「流動的な幸せ」という本質

私は「幸せには流動性があり、それが本質では?」と思っております。令和の幸せは、固定されたものではなく、状況や価値観の変化によって移り変わるものです。たとえば、AIの進化、コロナ禍、リモートワークの普及など、時代の変化が個々の幸せのあり方にも影響を与えています。「これが幸せの正解!」と決めつけるのではなく、時代の流れに応じて、自分なりの幸せをアップデートし続けることが重要なのかもしれません。


まとめ

令和の幸せを一言で表すならば、
「流動性のある、自分で選ぶ幸せ」と言えるかもしれません。

つながりを大切にしながらも、物質的な豊かさだけに依存せず、自分なりの幸せを模索し続ける。その過程で迷うこともあるけれど、議論を通じて考え続けること自体が、令和における「幸せの意識」なのではないでしょうか。

その様な姿勢で4・20第27回イベントは臨むつもりです。