日本も人を襲って金品を盗む人間や、詐欺集団を作り役割分担まで決めて、巧妙に人を貶める人間の存在が、珍しくなくなってきています。詐欺集団に関しては身近にその存在を感じられた方々も多いと思います。逮捕者も報道などで伝えられていますが、撲滅には程遠いのではないでしょうか?そんな人間の心理は想像できますか?騙される奴が悪い!と、嘯く輩もいてるようですが、少し考えてみます。

犯罪行為を行う人々、特に強盗や詐欺に携わるような人々の心理は、非常に複雑で多くの要因が絡んでいます。彼らの動機や心理を完全に理解することは難しいですが、犯罪心理学の視点からいくつかの要因が考えられます。

  1. 経済的なプレッシャーや貧困
    多くの場合、金銭的な欲望や貧困から犯罪に走るケースがあります。生活が苦しく、正当な方法で生き抜くのが難しいと感じると、犯罪行為が唯一の解決策に見えることがあります。特に、強盗や詐欺グループは、金銭的な動機に基づいており、急激な利益を得るために他人を犠牲にすることを厭わないことが特徴です。
  2. 道徳や倫理の欠如
    人々が犯罪に手を染める理由の一つとして、道徳的・倫理的な基盤が薄い、あるいは欠如していることが挙げられます。倫理観の欠如は、他者に対する共感を欠き、相手を単なる手段として見る傾向を強化します。このような人々は、自分の行為が他人にどれほどの害を与えるかに対して無関心で、自己中心的な価値観に支配されていることが多いです。
  3. 仲間意識や集団心理
    詐欺グループや強盗団は、しばしば組織的な犯罪を行うため、仲間内での結束が強調されます。この仲間意識が、個々のメンバーにとっては大きな動機付けとなり、「自分一人ではなく、グループのためにやっている」という感覚が罪悪感を軽減させることがあります。集団での役割分担やリーダーの指示に従うことで、個々の倫理的な判断が曖昧になり、犯罪行為を「普通の仕事」として捉えるようになることもあります。
  1. 人格形成や過去の経験
    犯罪に走る人々の多くは、幼少期や若年期にトラウマを経験したり、貧困や暴力的な環境で育ったりしています。これにより、
    健全な道徳観や倫理観が形成されないまま大人になることがあり、非合法な手段で成功することが「生き残るための手段」として認識される場合があります。
    彼らの行動は、過去の経験や周囲の環境の影響を強く受けていることが多いです。
  2. 社会の価値観や影響
    現代社会では、成功や富を得ることが過剰に重視されることが多く、一部の人々はそのプレッシャーに押しつぶされます。「成功するためには手段を選ばない」
    という風潮が、特に自己中心的な考え方を助長し、他人を犠牲にしてでも目標を達成しようとする心理を形成することがあります。このような価値観が、
    詐欺や強盗に走る一因ともなり得ます。
  3. 感情的な麻痺や無感覚
    犯罪を繰り返すうちに、感情的な麻痺が生じることがあります。最初は罪悪感を感じていたとしても、犯罪を続けることで、その罪悪感が薄れていき、最終的には他人の苦しみや痛みに対して無関心になることがあります。彼らにとって、犯罪行為は日常の一部であり、その行為に対する倫理的な葛藤が次第に消失します。
  1. 衝動性と自己コントロールの欠如
    一部の人々は、強い衝動に駆られ、自分の行動をコントロールできないことがあります。衝動性が高いと、その場の欲望や感情に流されやすく、後先を考えずに犯罪行為に走ることがあります。特に、感情的に不安定な場合や短絡的な思考を持つ人は、計画性に欠け、
    瞬間的な快楽や報酬を優先してしまうことが多いです。
  2. 認知の歪み
    犯罪者の中には、自分の行為を正当化するために認知の歪みを持つ人がいます。たとえば、「他人も同じことをしている」「社会が自分に不公平だから、これくらいやっても構わない」「被害者も何らかの形で責任がある」など、現実をねじ曲げた思考パターンを持つことがあります。このような歪んだ認識により、自分の行動が正当化され、犯罪行為への抵抗感が薄れるのです。
  3. 権力やコントロールの欲求
    犯罪行為は、他者に対する権力やコントロールを行使する手段となることがあります。特に暴力的な犯罪や詐欺の場合、相手を支配したり、相手の行動を操ったりすることに快感を覚えるケースもあります。こうした人々は、他者をコントロールすることで自分の優位性を感じ、そこに大きな満足感を得ることがあり、その欲望が犯罪行為を促進します。
  4. 社会的排除や疎外感
    社会からの疎外感や孤立感が犯罪の動機となることもあります。社会的に認められず、疎外されていると感じる人々は、他人に対する敵意や憤りを募らせ、それが犯罪行為に結びつくことがあります。また、そうした人々は、犯罪を通じて自分を認めさせたり、社会に対して復讐を果たそうとする場合もあります。このような感情が、犯罪行為に対する動機を強化することがあります。
  1. 精神的疾患や心理的問題
    一部の犯罪者は、精神的な疾患や心理的な問題を抱えていることがあります。たとえば、反社会性パーソナリティ障害(ASPD)や精神病質(サイコパス)のような人格障害は、他者に対する共感の欠如や罪悪感の薄さを伴い、犯罪行為に対する抵抗が非常に弱くなります。これらの障害を持つ人々は、他人の苦しみや被害を感じ取ることができず、犯罪を犯すことに対して罪悪感を抱かないことがあります。
  2. 周囲の環境や社会的影響
    犯罪者の多くは、犯罪が蔓延する環境で育ち、その影響を受けている場合があります。特に、犯罪行為が身近なものとして見られている環境では、犯罪に対する抵抗が薄れ、社会的規範が失われることがあります。例えば、家庭内での暴力や犯罪行為が日常的であったり、友人やコミュニティ内で犯罪行為が奨励されるような環境では、犯罪が「普通のこと」として受け入れられ、自己正当化されやすくなります。

これらの要因は、個々の犯罪者に固有の心理的・環境的な背景によって異なりますが、共通するのは、道徳や倫理感の欠如、自分自身の欲望や利益を優先する傾向、そして感情や衝動のコントロールが難しいことです。こうした行動は普通の倫理感を持つ人にとって理解しがたいものであり、犯罪者との間に大きな心理的隔たりがあります。それでも、これらの要因を理解することで、犯罪防止やリハビリテーションの対策を考える手がかりとなるかもしれませんが、、さて、どうでしょうか?