4月16日、奈良県コンベンションセンターにて奈良県立医科大学 オートファジー・抗老化研究センター設立記念『キックオフイベント』が開催されました。

参加してきました。オートファジーの研究は まだまだ進行中です。2016年、ノーベル賞を単独受賞された大隅良典博士が、1993にAtg遺伝子の同定以降、2005年ぐらいから世界において論文の発表も急増し、2020年には10.000を超えています。研究においては日本がリーダー的存在と言われています。(知財の面では遅れているとのことです。)

1. 感染症への対策

ウイルスや細菌の排除
オートファジーは細胞内に侵入した病原体を分解するメカニズムとして働くことが知られています。これにより、感染症の予防や治療に役立つ可能性があります。例えば、特定のウイルスや細菌に対する免疫応答を強化する方法として研究が進められています。

2. 自己免疫疾患の治療

免疫応答の調整
自己免疫疾患では、免疫系が自己の細胞を攻撃してしまいます。オートファジーは免疫応答の調整に関与しており、その調整によって自己免疫疾患の治療が期待されます。
例えば、オートファジーを調節することで、過剰な免疫反応を抑える方法が模索されています。

3. 心血管疾患の予防

アテローム性動脈硬化の抑制
オートファジーは細胞のクレンジングシステムとして、動脈壁に蓄積する脂質や異常タンパク質を除去する役割を果たします。これにより、動脈硬化の進行を遅らせ、心血管疾患の予防につながる可能性があります。

4. 肝臓や腎臓の健康維持

デトックス機能の強化
肝臓や腎臓は体内の解毒を行う重要な臓器です。オートファジーはこれらの臓器の機能をサポートし、毒素の蓄積を防ぐことで、全体的な健康を維持します。特に、アルコールや薬物の過剰摂取に対する保護効果が期待されます。

5. 筋肉量の維持

サルコペニアの防止
加齢に伴う筋肉量の減少(サルコペニア)は、オートファジーの機能低下と関連しています。オートファジーの活性化は、筋肉細胞の異常タンパク質やミトコンドリアを除去し、筋肉の健康を維持する助けとなります。

6. 皮膚の健康と美容

アンチエイジング効果
オートファジーは皮膚細胞の健康を保つことで、肌の老化を防ぎます。異常タンパク質や損傷した細胞の除去によって、皮膚の弾力性や輝きを維持し、シワやたるみを減少させる効果が期待されます。

まとめ

オートファジーは、健康維持や病気予防における多岐にわたる可能性を秘めています。将来的には、オートファジーのメカニズムを活用した新しい治療法や健康増進法が開発されることで、より多くの人々の健康や生活の質の向上に寄与することが期待されます。

当ネットワークにおいても、平均寿命と健康寿命との差、、約10年間あるのですが、この差に関して、少しでも縮める事ができる研究を、継続していただきたいと願っております。ひいては我々が推進しておりますウェルビーングにも結び付くと思いますので、期待したいと思っております。