社会心理学を自分の経験を基に、紐解きながら勉強をしてみると、世の中の『日常・しくみ』が、本当に良く分かります。たとえば、人はなぜ組織に服従してしまうのか? その答えと言いますか、学問的な説明ではこうなるのですよね。

組織(グループ)で何かを決める時、本心では違う事を考えていても周囲に合わせて同調してしまう事がありますよね。これを『外面的同調』と言うらしいのですが、勿論、全ての方がそうではないですが、自分に利ができる場合には、ほぼそうなってしまいます。そうでない場合でも、場の流れとして異論を唱えると明らかにマイナスになると(可能性がある)判断すると、自分の意に関係なく同調してしまいます。で、(以降は経験談です)後日、その方向が上手くいかなかったら、そういう方の中には「最初からそうなると思ってた!」とか、、その段階で異論があったことを組織の反省材料としていうのではなく、自分の正当性の為に口に出したりします。だいたいが、それがその方の習慣にもなり、事が起こると、形は違ってもそのようなパターンになります。そういう方が多い組織(グループ)は、それ自体が慣習となり、体質となっていきます。それは活発な意見交換ができないということを招きつつ、組織内のエンゲージメント劣化をも招くこととなります。

少し書きましたが「自分に利がある」、つまり、そうさせる『社会的勢力』(少し大げさなネーミングですが、)としては、
①.報酬勢力・・・報酬を与える事ができる立場の存在
②. 強制勢力・・・罰を与える事できる立場にいる者
③.正当勢力・・・上司、先輩など自分より社会的地位が高いと思う相手
④. 専門勢力・・・法律、医療、文化、政治といったある分野の専門家
⑤.好意を抱いている相手、尊敬している相手
それぞれ、一般的な括りで勢力としてあげましたが、内容的には形は違えど、同様なケースは沢山あるかと思います。

要は、間違っていると分かっていても従ってしまう現象が、この様な勢力により引き起こされるという事を理解した上で、自己肯定感を培い、自己効力感の向上につなげていく必要があると思います。そうでなければ、個人としては、その組織やグループに埋もれてしまいますし、全体としてはイノベーションもできない組織であり続けるでしょう。案外、その様な組織が多いのです。