慶応大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授のの前野隆司氏はご自身の著書で、1980年代から約40年間行われてきた心理学的・統計学的なウェルビーイングの研究は、今後も活発化していくだろう。そして、これまでの研究で「何がウェルビーイングに寄与するか?」に関して、多くのことが分かってきたと明言されています。その上で、今後は地域差の研究、ネットワーク分析の研究、バイタルデータやインターネットデータの利用、AIの援用による研究、さらには遺伝子工学、脳神経科学、医療福祉技術との融合やバイオテクノロジーの活用という分野にまでウェルビーイング研究が進展するという見解を示されています。

学問というものは往々にして研究が進むと細分化されていくものと、私は思っておりまして、それが、ウェルビーイングという共通目標に向けてまとまっていくという方向性は、混沌とした先の見えにくい現社会において、私は大変重要な事であり共感致しておるところであります。

ポジティブ心理学の領域では上図のPERMA理論が存在し、幸せの要素として用いられているのですが、それも踏まえながら、もっともっと身近なところで個人のウェルビーイングを考える時、そこには感謝があり、多利的であり、仲間と多様な関係性があることなど、その様な目標と言いますか、生きる道しるべ的なものを設定すると、『幸せ』を感じやすいという事であり、その姿勢が『自分らしく生きる』という事になっていくのではないでしょうか。この事を理解した上で、さらなる『自分らしさ』の追求は自己肯定感の向上になりますし、自己効力感を高める事にも繋がると思っております。