私達の社会では他人からの評価を何らかの形で受けていますが、例えば、自分の意見に対して「そう思う」あるいは「いや そう思わない」という評価によって、自分の態度に変化を生じてしまうものです。肯定された場合→自分の意見に確信を持ち、以降もその意見を持ち続ける傾向にあります。その逆の場合は、自分の意見に自信がなくなり、以降は違う意見を持つ傾向にあります。この態度の変化には「オペラント条件付け」というプロセスが働いているのです。
「オペラント条件付け」は肯定や否定だけではなく、褒められる(報酬)、叱られる(罰)などが起こった時にも発生します。
少し、専門家の説明をアレンジして書きますと・・
1反応-結果の関連性
オペラント条件つけでは、個体の行動(反応)とそれに続く結果との関連性が重要です。行動が特定の結果をもたらすか、それによって増加または減少するかが学習の中心です。
2強化と減衰
オペラント条件つけは、強化と減衰の概念に基づいています。強化は、望ましい行動を増加させるために報酬や好ましい結果を提供するプロセスです。逆に、減衰は、望ましくない行動を減少させるために不快な結果や罰を提供するプロセスです。
3報酬と罰
オペラント条件つけでは、報酬と罰が行動を形成し、変更するのに役立つ道具として使用されます。報酬は望ましい行動を増加させ、罰は望ましくない行動を減少させる役割を果たします。
4強化スケジュール
オペラント条件つけは、強化がいつ行われるかに関するスケジュールにも焦点を当てます。スケジュールは、行動の習慣化や消失に影響を与えます。
5自発性
オペラント条件つけは、人が自発的に行動を選択するプロセスとして機能します。そこには経験に基づいて行動を調整し、最適な結果を得るための学習が存在します。
オペラント条件つけは、教育、臨床心理学、行動療法などのさまざまな分野で応用されています。この理論を理解することで、望ましい行動を強化し、望ましくない行動を減少させるための方法を開発し、行動の変化を研究および指導するのに役立ちます。
分かりやすい例として
会社において、ある仕事を上司に褒められると(報酬)、その仕事に一層積極的になり、やる気も持つことなります。逆に、仕事に失敗をして上司から叱られる(罰)と、態度を改めるようになります。そして、「叱られないためにはどうすれば良いのか?」と考え、その方法や新たな考えを模索(学習)するようになります。一時的には下がった生産性(成果)も、将来的には向上する可能性があります。
以上の事を現社会に当てはめると、周囲の人達の「やる気を引き出したい」「間違った軌道を修正したい」という場合は、オペラント条件付け理論を理解をした上で、叱る(罰)時にも、褒める(報酬)時においても「オペラント条件付け」で起こる各々の態度の変化を考慮(見極め)しながら、感情に走らず対応する事が組織のクォリティー向上にもなりますし、個人のスキルアップにも繋がっていくと考えています。個人的に重要と考えているのは『叱る時においても褒める要素を考えておくべき』という事で、これは、本理論のアレンジになるのでしょうか、、そこは時代の変化と思います。