■個人としての現象
心理的拘泥現象は、個人が特定の信念、行動パターン、または認知スキーマ(個人の経験を基準にした、物事への考え方の枠組み)に固執し、柔軟性を欠いて新しい情報や視点に開かれない状態に陥る現象です。この現象は、以下のような特徴を持つことがあります。
1.思考の固執
一度形成した信念や意見を変えることに抵抗し、新しいアイデアや情報に耳を傾けないことがあります。自分の見解を堅持しようとし、他の選択肢を検討しようとしないことがあります。
2.行動の反復
同じ行動パターンを繰り返し、変化や新しい方法を受け入れるのが難しい傾向があります。過去の成功体験にとらわれ、新しい方法を試そうとしないケースが多い。
3.認知の偏り
特定の情報や視点に焦点を合わせ、他の情報を無視することがあります。自分の信念や視点を強調し、他の意見やデータを無視することがあります。
4.不適切な適応
変化する状況に適切に対応できないことがあります。固定された方法で問題にアプローチし、柔軟性を欠いてしまいます。これは個人や組織にとって問題を引き起こす可能性があります。
心理的拘泥現象は、学習、成長、問題解決、対人関係において障害となることがあります。柔軟性を持ち、新しい情報にオープンであることは、個人の精神的な健康と総合的な成長に重要です。拘泥した状態から抜け出すためには、自己認識を高め、新しいアプローチや視点を受け入れる意欲を養うことが重要です。心理的柔軟性を促進するトレーニングやアプローチも存在し、これらを活用することで、拘泥から解放されると思います。
■組織としての ありがちな例と それを覆す手法→『悪魔の擁護者』の立場の人
拘泥した人は、同じ問題に対して同じ方法を繰り返し適用するため、問題が解決しづらくなります。新しいアプローチを試すことなく、柔軟性を持たないことで、新しいアイデアを生み出す機会が制限されてしまいます。
■心理的拘泥を予防するためにはどうすれば良いのでしょう?
1.自己認識の向上
自分の信念や価値観を理解し、それらがどのように行動や意思決定に影響を与えているかを考えることが重要です。自己認識を高めることで、自身の拘泥ポイントを特定しやすくなります。
2.新しい経験や情報へのオープンさ
新しいアイデア、視点、文化、経験に開かれる意識を持つことが大切です。他人の意見や異なる視点を受け入れ、学び続ける姿勢を持ちましょう。
3.フィードバックの受け入れ
周りからのフィードバックを歓迎し、建設的な批評を受け入れることで、成長と変化への道が開けます。フィードバックを拒絶するのではなく、それを成長の機会と捉えることが大切です。
4.柔軟性を養う練習
新しいスキルを習得したり、異なる方法で問題に取り組んだりすることで、柔軟性を養うことができます。日常生活で新しいことに挑戦する習慣を作りましょう。
5.マインドフルネスや瞑想の実践
マインドフルネスや瞑想は、自己認識を高め、感情や思考に対処する能力を向上させるのに役立ちます。これらの実践を取り入れることで、拘泥しにくくなることがあります。
6.チームワークとコミュニケーションの向上
他の人と協力し、共同作業を通じて異なる視点やアイデアに触れることで、柔軟性が高まりますし、効果的なコミュニケーションスキルを磨き、協力的な姿勢を持つことが大切です。
個人が『拘泥現象』とう事を理解し、そして意識するところからスタートをする必要性があると思います。特にシニア世代が多い組織の場合、どうしてもこの現象に陥りやすいので注意が必要です。この事は組織(団体)の存続にも影響を及ぼしますし、求められている、時代に合った多様な形での組織(団体)の運営・経営の足かせになるのも、自明の事と思います。・・・・・・・・思うがままにでした。