私たちは「ウェルビーイング」を個人の幸福や健康と捉えがちですが、実はそれは社会全体の在り方とも密接に関係しています。個人の幸福が周囲に影響を与え、また周囲の環境が個人の幸福を左右するという相互作用の中で、私たちのウェルビーイングは成り立っていると思っています。

特に、現代社会では「つながり」がより重要になっています。かつては地域共同体の中で自然と支え合いが生まれていましたが、都市化やデジタル化の進展により、人と人の関係が希薄になりつつあります。その結果、孤独感や社会的孤立が問題視されるようになりました。個人の幸福を考える上で、「つながり」の質を向上させることが不可欠です。

現代は情報技術の発展によって、世界中の誰とでも簡単に連絡を取ることができる時代です。しかし、その一方で、直接的なふれあいやリアルな対話の機会が減少し、人間関係の深みが失われることが指摘されています。オンライン上のやり取りは便利ですが、顔を合わせて会話することで生まれる共感や安心感は、デジタルの世界では完全には再現できません。

孤独や社会的なつながりの欠如がもたらす影響は大きく、心理学的な研究でも、良好な人間関係がストレスを軽減し、幸福度を向上させることが示されています。特に、社会的孤立が続くと、精神的・身体的健康に悪影響を及ぼし、最終的には寿命にも影響を与える可能性があるとされています。逆に、強い社会的つながりを持つ人々は、困難な状況に直面しても前向きに生きる力を持ち、より充実した人生を送ることができます。

企業や組織の中でもウェルビーイングが注目されるようになり、単なる福利厚生の枠を超えて、従業員同士の関係性や働きがいを高める取り組みが進められています。また、地域社会においても、共助の精神を活かしたコミュニティ活動が、個人の充実感や生きがいを生み出しています。

4/20(日)開催の今回のイベントでは、「令和のしあわせ/つながる」をテーマに、人々がどのように互いに支え合いながら生きることができるかを探ります。心理学者や日頃、身近な存在ではない僧侶の対話を通じて、精神的なウェルビーイングの側面を深掘りし、音楽によって共感し合う場を作ることで、新たなつながりを生み出したり、感じて頂く機会にもしたいと考えています。

ウェルビーイングは個人の問題ではなく、社会全体の課題でもあります。人と人がつながることで、一人ひとりの幸福がより豊かなものになり、それが社会全体の発展につながる。そのような視点を持ち、より良い未来を共に創り上げていきたいと思います。